大家になったら必要になる書類と手続きの一覧

結論からお伝えすると、大家になったときの手続きは①期限が決まっているもの、②期限はないが早いほうがいいもの、③毎年くり返すもの、この3つに分かれます。全部が同じ紙の上に並んでいるから多く見えるだけで、期限が決まっているものは4つか5つです。まずそこだけ先に押さえれば、残りは順番に片づきます。

ここでは相続で所有者になった場合を想定して並べます。ただし日数や要件は個別の事情で変わりますので、下の表はあくまで「いつごろ、どこへ聞くか」の地図として使ってください。

先に、よくある失敗から

手続きそのものは、一つひとつはそれほど難しくありません。つまずくのは、たいてい別のところです。

  • 全部を一度に片づけようとして、どれも中途半端なまま3か月が過ぎた
  • 郵便物が親の住所に届き続け、固定資産税の納付書を見落として督促が届いた
  • 火災保険の契約者が前の所有者のままで、水漏れ事故のときに請求できる状態か分からなくなった
  • 共用部の電気の契約名義がそのままで、引き落とし口座が凍結され、廊下の照明が止まった
  • 税務署に出す届出に期限があることを知らないまま年をまたぎ、翌年の申告で選べる方法が限られた

一般的には「書類を全部揃えてから動きなさい」と言われます。ただ、現場ではこの順番はうまくいきません。揃うのを待っている間に、たいてい先に納付書のほうが届きます。期限があるものから着手して、書類は走りながら集めるほうが結果的に早く終わります。

期限が決まっている手続き

下の期限は、一般的に言われている目安です。財産の内容、遺言の有無、相続人の人数によって扱いは変わりますし、そもそも申告が必要かどうかも個別に判断されます。ここで断定はできませんので、必ず窓口欄の相手に確認してください。

手続き一般的に言われる期限相談・確認先
相続放棄・限定承認の申述亡くなったことを知った日から3か月以内家庭裁判所・司法書士・弁護士
準確定申告おおむね4か月以内所轄の税務署・税理士
相続税の申告と納付おおむね10か月以内所轄の税務署・税理士
相続登記(名義の書き換え)2024年4月から義務化。取得を知った日から3年以内法務局・司法書士
開業の届出、青色申告の承認申請提出期限が定められています所轄の税務署・税理士

青色申告の承認申請は、出す時期によってその年から使えるかどうかが変わります。期限の日付をここで断定することは避けますので、所轄の税務署か税理士に「いつまでに出せば今年から使えるか」を直接確認してください。電話での問い合わせにも応じてもらえます。相続登記についても、正当な理由がない場合の取り扱いを含めて、法務局で確認できます。

期限はないが、早いほうがいい手続き

こちらは法律で日付が決まっているわけではありません。ただ、遅れると実害が出ます。目安は相続から1か月から2か月のうちです。

やること目的相手
郵便物の転送届納付書・通知・請求書の見落としを防ぐ郵便局
火災保険・施設賠償保険の契約者変更事故のときに請求できる状態にする保険会社・代理店
家賃の入金口座の変更入金が止まるのを防ぐ金融機関・管理会社
管理委託契約の名義変更覚書送金先と連絡先を確定させる管理会社
共用部の電気・水道の契約名義引き落とし停止による供給停止を防ぐ各事業者
入居者への通知問い合わせ先と振込先をはっきりさせる管理会社を通すのが原則
家賃保証会社への届出滞納時の請求が止まらないようにする保証会社

この中で最も実害が出やすいのが、共用部の光熱費です。引き落とし口座が凍結されて2か月ほど放置されると、供給が止まることがあります。階段の照明が消えれば、その日のうちに入居者から連絡が入ります。金額としては月8千円程度の話でも、止まったときの影響は家賃の滞納より大きくなります。

毎年くり返す手続きには、何があるのか?

一度片づければ終わりのものと、毎年戻ってくるものがあります。後者は年間の予定表に書き込んでおくと、そのあとが楽になります。

  • 固定資産税・都市計画税の納税通知書。多くの市区町村で春ごろに届き、一括か年4回かを選べます。金額と納期は市区町村の資産税課で確認できます
  • 所得税の確定申告。例年2月中旬から3月中旬が受付期間ですが、曜日によって前後します。日付は税務署の案内で確認してください
  • 火災保険の満期と更新。長期契約の場合は満期年だけ
  • 消防用設備の点検。建物の規模や構造によって必要になる場合があります。管轄の消防署に確認してください
  • 賃貸借契約の更新。2年ごとの契約が多く、8戸あれば毎年3件から4件は動きます

書類はどこに置くか

手続きより地味ですが、ここが一番効きます。物件ごとにファイルを1冊つくり、契約書・保険証券・税の通知・修繕の見積もりと領収書を、届いた順に入れるだけで構いません。分類に凝る必要はありません。

原本は1か所にまとめ、写真かスキャンで控えを取っておくと、管理会社や税理士とのやり取りが早くなります。帳簿や書類の保存期間は申告の方法によって異なりますので、何年分残すべきかは税理士か税務署に確認してください。捨てるかどうか迷う書類は、確認が取れるまで残しておけば問題ありません。

管理を委託している場合、これらの多くは管理会社が代行するか、少なくとも案内してくれます。届いていないと感じたら、遠慮なく聞いてください。判断の目安は管理会社を変えたいと思ったときに、最初に確認する3つのことにまとめてあります。

まとめ

期限があるものを4つか5つ先に押さえる。実害が出るものを1か月から2か月で片づける。毎年くり返すものを予定表に書く。この3段構えにすれば、やることの総量は変わらなくても、抜ける確率は大きく下がります。

さいたま市周辺で、何から手をつければよいか分からないという方は、ご相談ください。管理を任せるかどうかを決めていない段階でもかまいません。ご自身の物件に必要な手続きだけを抜き出してお伝えすることもできます。

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