手数料が安い管理会社の、安い理由
結論からお伝えすると、管理手数料が安い会社にはちゃんとした理由があります。多いのは①工事を自社で施工している、②預かり戸数が多くて1戸あたりの原価が下がっている、③業務範囲を絞っている、④管理料以外で収益を取っている、この4つです。安いこと自体は欠点ではありません。確認すべきは「どの理由で安いのか」と「そのしわ寄せがどこに出るか」だけです。
%の水準そのものについては管理手数料5%は高いのかで扱っています。ここでは「安い理由」の中身を分解します。
先に、安さで選んで後悔した例から
誤解のないように書きますが、以下は「安い会社が悪い」という話ではありません。安い理由を確認しないまま契約したときに起きたことです。
- 2%の会社に切り替えたが、修繕はすべて系列の1社に固定で、相見積もりが取れなかった。給湯器交換が他社見積もりより4万円高かった
- 報告書が年1回のみ。滞納が2件、3か月分たまってから初めて知った
- 入居者からのクレーム受付が平日9時から17時のみ。夜間の水漏れで初動が翌朝までかかった
- 更新事務手数料が更新料の50%で別建て。家賃6万円・20戸で、年間の総支払額では5%の会社を上回った
3%と5%の差は、家賃合計50万円なら月1万円、年12万円です。上の4つのうち1つでも起きれば、その12万円は簡単に消えます。逆に何も起きなければ、そのまま手元に残ります。安いか高いかではなく、確率の話だということです。
安くできる仕組みは、4つある
まず、正当に安くできている会社の仕組みを並べます。ここに当てはまる会社は、安くても中身が落ちません。
| 安くできる理由 | なぜ成立するか | 大家さんにとっての利点 |
|---|---|---|
| 工事を自社で施工している | 原状回復や修繕で利益が出るため、管理料を薄くできる | 工事が速い。下請けマージンが乗らない |
| 預かり戸数が多い | 1人の担当者・1回の巡回で複数物件をまとめられる | スケールで単価が下がる。募集網も広い |
| 業務範囲を絞っている | 集金と送金に特化し、そのほかは大家さんが担う | 自分で動ける人にはいちばん割安 |
| 地域を絞っている | 移動時間が短い。1日で回れる件数が多い | 現地対応が速い |
特に自社施工の会社は、管理料を2〜3%にしていることがあります。これは値引きではなく、収益の取り方が違うだけです。工事の見積もりが妥当かどうかを大家さん側で見られるなら、この形は相性がいいと言えます。
しわ寄せが出やすいのは、この3か所
公平に、逆側も書きます。安さのしわ寄せは、次の3か所に出やすいという傾向があります。
| 出やすい場所 | 確認する質問 |
|---|---|
| 対応速度(担当者の持ち戸数が増える) | 「担当者1人あたり何戸ですか」「夜間・休日の受付はどこがしますか」 |
| 報告頻度(毎月ではなく年数回になる) | 「報告書は毎月出ますか。実物を見せてください」 |
| 修繕の相見積もり(発注先が固定される) | 「いくら以上で相見積もりを取りますか」「別業者への発注は可能ですか」 |
3つ目は特に金額が動きます。クロス張替えでも1平米あたり数百円の差が出ますし、20平米で計算すると1室で1万円前後、給湯器のような設備なら数万円単位で変わります。年12万円の手数料を節約しても、修繕で取り戻せなければ意味がありません。報告書の見方は管理会社の報告書は何を見ればいいかにまとめてあります。
ここで一つ、業界の常識とは逆のことを申し上げます。一般的には「安すぎる管理会社には裏がある」と言われます。ただ実際に危ないのは、安い会社より、理由を説明できない会社です。「うちは工事で利益を取るので管理料は2%です」と言い切る会社のほうが、「サービスの一環で3%です」としか言わない会社より、よほど中身が読めます。
では、安い会社を選んでもいいのか?
次の条件がそろっているなら、安い会社は有力な選択肢です。
- 安い理由が言葉で説明できる(工事・戸数・範囲・地域のどれか)
- 手数料の外に出る費用が、書面で金額まで示されている
- 毎月の報告書が実物で確認できる
- 修繕の発注先を大家さん側で選べる余地がある
そして最後に、%より効いてくる話をします。手数料はその会社が1戸あたりにかけられる時間の値段です。同じ5%でも、担当者が100戸を持っているか300戸を持っているかで、あなたの物件に使われる時間はまったく違います。
あわせて「経営者の方は、自分でも賃貸経営をされていますか」と聞いてみてください。していれば、空室が1か月延びることの重さを金額で知っている人が、社内の優先順位を決めているということです。担当者はその優先順位に沿って動きます。%が2%でも5%でも、この一点は変わりません。
まとめ
安い理由は、自社施工・戸数・範囲の絞り込み・地域の絞り込みの4つ。しわ寄せは対応速度・報告頻度・修繕の相見積もりの3か所に出やすい。理由を説明できる会社なら安さは武器になり、説明できない会社なら%の低さは判断材料になりません。
なお、切り替えを決めた場合は、いまの契約の解約予告の期間を先に確認してください。実務が止まったあとの管理料まで払うことになりかねません。
さいたま市周辺で賃貸管理をお探しでしたら、ご相談ください。まだ決めていない段階でもかまいません。見積もりを並べて、どの理由で安いのかを一緒に読むだけでも承ります。
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