サブリースを解約できないと言われたときに確認すること

結論からお伝えすると、「サブリースは解約できない」と言われたときにまず取りかかるのは、契約書の①契約期間と更新、②中途解約の条項、③違約金の条項、この3か所を読むことです。そのうえで、解約できるかできないかの最終的な判断は、契約書の文言と個別の事情によって分かれます。この記事で「解約できます」「できません」と申し上げることはできません。読む場所と、相談すべき相手をお示しするところまでが役割です。

ご存じの方も多いと思いますが、サブリース(一括借上)は、業者が物件を「借りる」形をとる契約です。ここが管理委託とのいちばん大きな違いで、話がややこしくなる出発点でもあります。

先に、こじれてしまった例から

相談としてよく耳にする流れです。

  • 保証されていた家賃が、契約から8年目に改定を求められ、当初の金額から2割ほど下がった
  • 解約を申し出たところ「30年契約なので不可」と回答され、それ以上の説明がなかった
  • 契約書を探したが手元になく、写しの再発行を求めるところから2か月かかった
  • 感情的なやり取りが数往復続き、記録が残らない電話ばかりで、あとから経緯を説明できなくなった

共通しているのは、契約書を読む前に交渉を始めてしまったことです。相手は契約書の内容を把握しています。こちらが把握していない状態で話すと、口頭の回答がそのまま結論のように残ってしまいます。まず読む、次に記録を残す、それから相談する。この順番が要ります。

なぜ「できない」と言われるのか

一般的な考え方として、日本の借地借家法では、建物を借りている側の立場が一定の範囲で保護される仕組みがあります。貸主の側から契約を終わらせようとするときには、それを認めるだけの事情が求められると整理されるのが通常です。

サブリースでは、業者が「借主」の位置に立ちます。そのため、物件の所有者であるにもかかわらず、貸主からの解約に制約がかかる場合がある——これが「解約できない」と説明される背景として語られることが多い理屈です。

ただし、これは「必ず解約できない」という意味ではありません。この仕組みがどこまで及ぶかは、契約の書き方、当事者が事業者か個人か、経緯にどんな事情があったか、といった要素によって評価が変わり得ます。過去の裁判例でも判断は一様ではありません。だから一般論として整理できるのはここまでで、あなたの契約がどうなるかは、この記事では判断できません。

ここで一つ、よく言われることとは違う見方を申し上げます。一般的には「サブリースは解約できないから諦めるしかない」と言われます。ただ実際に動きが出るのは、解約という一択で押したときではなく、契約書の条項を特定して、事実関係を書面で並べたときです。相手が態度を変えるのは、感情ではなく記録に対してです。

契約書のどこを見るか

契約書(マスターリース契約書、一括賃貸借契約書などの名称)の写しを手元に用意して、次の項目に付箋を貼っていってください。

見る条項確認すること
契約期間・更新何年契約か。自動更新か。更新の拒絶を申し出る期限(何か月前まで)が書かれているか
中途解約(解約権)貸主から解約できる規定があるか。ない場合、業者側だけに解約権があると書かれていないか
違約金・損害金金額の定めがあるか。家賃の何か月分などの計算式か
賃料の改定何年ごとに見直すと書かれているか。減額を申し入れられる条件は何か
免責期間引き渡し後や退去後に、家賃が支払われない期間の定めがあるか
修繕・原状回復の負担どちらが負担するか。指定業者の定めがあるか
転貸の条件入居者との契約内容を貸主が確認できる規定があるか
契約終了時の扱い入居者との契約を貸主が引き継ぐのか、明渡しになるのか

最後の「契約終了時の扱い」は見落としやすい項目です。解約できたとしても、入居者との契約がそのまま貸主に移るのか、条件がどうなっているのかで、その後の収支が変わります。

では、誰に相談すればいいのか?

契約を終わらせられるかどうかの判断は、弁護士に確認してください。ここは管理会社や不動産会社が答えを出せる領域ではありません。契約書の文言の効力、違約金条項の有効性、これまでのやり取りをどう評価するか——いずれも法律の判断です。

相談に行くときは、次の4点を持っていくと1回で話が進みます。

  • 契約書の全ページ(別紙・特約・覚書も含む)
  • 契約時に受けた説明の資料(パンフレット、収支のシミュレーション)
  • 入金の履歴(当初の保証額と、改定後の金額が分かるもの)
  • これまでのやり取りの記録(日付・相手の氏名・言われた内容)

各地の弁護士会には法律相談の窓口があります。行政の無料相談を使う方法もあります。契約の勧誘や説明のあり方に疑問があるときは、国土交通省の案内で、賃貸住宅の管理業務に関する制度の枠組みと相談先の最新情報を確認してください。制度の概要はサブリースから管理委託に切り替えるときの注意点でも触れています。

まとめ

読む順番は、契約期間と更新、中途解約、違約金。そのあとに賃料改定と契約終了時の扱い。ここまでを自分で確認してから、資料をそろえて弁護士に相談する。「解約できるか」を検索して答えを探すより、この2ステップのほうが早く進みます。

切り替えた先の管理形態を検討する段階になったら、解約予告の考え方は管理委託契約の解約予告は何か月前?もあわせてご覧ください。さいたま市周辺で賃貸管理をお探しでしたら、ご相談ください。まだ決めていない段階でもかまいません。

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