家賃はどこに入るのか|入金口座の変更手続き

結論からお伝えすると、家賃の入り方には①管理会社の口座にいったん集まってから送金される形(集金代行)、②入居者から大家さんの口座に直接振り込まれる形の2通りがあり、口座を変えるときの手間がまったく違います。前者は届出1枚で済むことが多く、後者は入居者全員への通知が必要です。まず、自分の物件がどちらかを確かめるところから始めてください。

相続で大家さんになった場合、この確認を後回しにすると、入金が止まっていることに気づくのが数か月後になります。金額そのものより、気づくのが遅れることのほうが影響が大きい部分です。

先に、よくある失敗から

口座の変更は事務手続きなので難しくありません。それでも、次のようなことが実際に起きています。

  • 直接振込だったのに管理会社にだけ変更を伝え、翌月、6戸のうち3戸分が旧口座に振り込まれた
  • 旧口座を先に解約してしまい、振込が組戻しになって入金が3週間遅れた
  • 通知を月末に出したため、すでに翌月分の振込を予約していた入居者が半数いた
  • 親名義の口座が凍結され、家賃が入っていない状態に2か月気づかなかった
  • 家賃の送金先は変えたのに、駐車場の月極分だけ別ルートで、そちらが3か月止まっていた

共通しているのは、入金の経路が1本だと思い込んでいた点です。

まず、どちらの形かを確かめる

判別は簡単です。通帳の入金履歴を見てください。6戸のアパートで6件がばらばらの日に入っていれば直接振込、月に1件だけまとまって入っていれば集金代行です。集金代行の場合、送金日は月末か翌月の5日から10日あたりに設定されていることが多く、管理料や修繕費が差し引かれた金額が入ります。

もう一つの確認先が管理委託契約書です。「集金」「送金」「精算」といった条項があれば集金代行、なければ直接振込と考えて、あとは送金明細で裏を取ります。

ここで一つ、見落とされやすい話をします。口座変更は事務作業だから管理会社に任せておけばいい、と思われがちです。ただ、いちばん取りこぼすのは、管理会社が把握していない入金のほうです。電柱の敷地使用料、自動販売機の売上、携帯電話の基地局の賃料、個人で貸している駐車場。これらは管理会社を通さず親の口座へ直接入っていることが多く、口座を変えるときに真っ先に抜けます。年に数千円から数万円と金額は小さいのですが、止まったことに何年も気づかないのはこの種類です。通帳の1年分を眺めて、家賃以外の入金を先に書き出しておいてください。

口座を変えるときの順番

順番を守れば、入金が止まる期間をつくらずに切り替えられます。

やること相手時期の目安
1新しい口座を用意する(物件名や屋号を入れるかを決める)金融機関切替の2か月前
2家賃以外の入金を洗い出す通帳・自分同時期
3送金先の変更届を出す(集金代行の場合)管理会社送金日の10日前まで
4入居者への通知文を出す(直接振込の場合)管理会社を通す変更月の前々月中
5保証会社・サブリース先の登録変更保証会社など1か月前
6引き落としの付け替え(保険料・ローン・共用部の光熱費)各事業者1か月前
7旧口座を残したまま入金を照合する自分切替後2から3か月

4番と6番を同じ月に重ねないことが要点です。入るお金と出るお金を同時に動かすと、どちらが止まったのかを追えなくなります。

旧口座はいつ閉じるか|凍結との関係

一般的に、金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座は凍結されます。把握のきっかけは金融機関によって異なり、こちらから届け出るまで動かないこともあれば、そうでないこともあります。解除や払い戻しに必要な書類も金融機関ごとに違いますので、扱いは取引先の窓口に直接確認してください。ここで一般論を当てはめると、必要な書類を二度取り寄せることになりがちです。

相続の手続き中で口座が使えないときは、いったん管理会社の集金代行に切り替えて、送金先が決まってから精算してもらう方法もあります。入居者を巻き込まずに時間を稼げるのが利点です。集金代行を新たに頼む場合は、管理委託契約の内容そのものを見直すことになりますので、管理会社を変えたいと思ったときに、最初に確認する3つのこともあわせてご覧ください。委託先ごと変える可能性があるなら、管理委託契約の解約予告は何か月前?で予告期間を先に確かめておくと安全です。

旧口座を閉じるのは、最後の1件が新しい口座に入ったのを確認してからです。年に1回しか入らない入金があるため、可能であれば1年は残しておくほうが安心です。

入居者への通知は、いつ出すのが安全か?

遅くとも1か月前、できれば前々月の20日ごろまでです。理由は単純で、給料日の直後にまとめて振込を済ませる方や、ネットバンキングで数か月先まで予約している方がいるからです。月末に通知を出すと、翌月分はほぼ間に合いません。

通知文には、変更後の口座、何月分から適用するのか、旧口座に振り込んでしまった場合の扱い、問い合わせ先の4点を必ず入れてください。振込手数料の負担を従来どおりとするなら、その一文も添えます。ここが抜けると、変更を口実にした滞納や行き違いの原因になります。切替後の1か月から2か月は、毎月10日ごろに旧口座の入金も確認する。これだけで取りこぼしはほぼ防げます。

まとめ

どちらの形で入っているかを通帳で確かめる。家賃以外の入金を先に書き出す。通知は前々月に出し、旧口座は2から3か月、できれば1年併走させる。この4つを守れば、入金が止まる月をつくらずに切り替えられます。

さいたま市周辺で、家賃の入金や口座の切り替えに不安がある方は、ご相談ください。管理を任せるかどうかを決めていない段階でもかまいません。通帳の見方や通知文の書き方だけをお伝えすることもできます。

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