管理人にも毎週1回の休日が要ります|労働基準法35条は「4週で4日」でもよく、起算日を書く決まりです
結論からお伝えすると、管理人や清掃のパートにも毎週少なくとも1回の休日が要ります。条文は、週に1回でなくても、4週間を通じて4日以上の休日を与えればよいとも定めています。ただし後者を使うなら、4週間の数え始めの日を書面に残す決まりです。労働基準法35条を現行の条文で確かめました(2026年10月4日時点)。

休日は「週1回」か「4週で4日」のどちらかです
35条1項は、使用者は労働者に、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないと定めています。2項は、4週間を通じて4日以上の休日を与える使用者には、この規定を適用しないとしています。管理人の勤務が「第1週は6日、第2週は休みなし」のように不ぞろいな場合でも、4週間をひと区切りにして4日以上の休みがあれば足ります。
この4週4日の形を使うときは、施行規則12条の2第2項が、就業規則その他これに準ずるものに、4日以上の休日を与える4週間の起算日を明らかにするものとしています。栃木労働局の解説も、4週4休にするなら起算日を明らかにし、できるかぎり休日を特定するよう勧めています。
気をつけたいのは、就業規則を作る義務が生じるのは、常時10人以上の労働者を使う使用者だという点です(労働基準法89条)。管理人を1人か2人雇う大家さんは、就業規則を持っていないのが普通です。その場合に「これに準ずるもの」として何を置けばよいかは、条文からは読み取れません。書面で示す雇用条件の中に起算日を書いたうえで、置き場所を労働基準監督署に確かめてください。
「休み」と「休日」はちがいます
栃木労働局の解説によると、休日とは、労働契約において労働義務がないとされている日をいいます。しかも原則は暦日、つまり午前0時から午後12時までの24時間です。所定の休日とされている日でも、前日の勤務が延びて午前0時を超えたときは、休日を与えたことになりません。
夜の見回りや、深夜に及ぶ入居者対応が続く管理人では、翌日が休日のつもりでも、前日の労働が午前0時をまたぐと、その休日が休日として数えられなくなります。
休日に働いてもらいたいときは、書面の協定と割増賃金が要ります
退去立会いや緊急の水漏れで、予定していた休日に働いてもらうことがあります。36条1項は、労働者の過半数で組織する労働組合、それがなければ過半数を代表する者との書面による協定をつくり、行政官庁に届け出た場合に、休日に労働させることができると定めています。
そのうえで37条1項は、休日に働かせた日の労働には割増賃金を払うことを求めています。率は政令が決めていて、休日の労働は3割5分以上です(労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令)。1時間2,000円の人なら、休日の1時間は2,700円以上になります。
振替休日と代休は別のものです。前もって休日と勤務日を入れ替えておく振替休日と、休日に働かせたあとで別の日を休ませる代休では、割増賃金の払い方が変わります。栃木労働局の解説に、2つの違いを並べた図があります。

住み込みの管理人には、休日の決まりが働きませんか?
許可があれば外れますが、自動では外れません。41条3号は、「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」について、労働時間・休憩・休日の規定を適用しないとしています。許可は所轄の労働基準監督署長から受ける必要があります(施行規則34条)。許可を受けていない管理人には、35条がそのまま働きます。給与の払い方は管理人の給与から家賃を引く大家は、書面の労使協定が要りますでも整理しています。書面で示す内容と合わせて整理したものが、アパートの管理人を雇う大家が書面で示すことです。
守らなかったときは、どうなりますか?
119条1号は、35条に違反した者を、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。休日を与えずに連続で働かせるような形は、日付の記録が残っているぶん、あとから説明がつきません。
都合の悪いことも書いておきます
- 家事使用人には労働基準法が適用されません(116条2項)。賃貸経営のために雇う管理人や清掃の人が当たるかは、条文だけでは判断できないので、雇い始める前に労働基準監督署へ確かめてください。
- 休日の日付や出勤の記録は、賃金台帳に残す帳簿の話につながります(人を雇った大家が備える帳簿は2つです)。
- 35条は休日を与えることを求めているだけで、休日の日給を払うことまでは求めていません。休日と有給休暇は別の仕組みです。有給の日数は週2日の清掃パートにも有給休暇は付きますに書きました。
- 管理人本人が「休まなくていい」と言っても、35条に本人の同意で外せる定めはありません。休日を与えていなければ違反になりえます。
今日やることを1つだけ選ぶなら
管理人の勤務予定を、直近の4週間ぶん、カレンダーに書き出してください。1週ごとに休みがあるか、あるいは4週で4日以上あるかを数えます。4週で数える形にするなら、その4週間をいつから数えるのかを雇用条件の書面に1行足します。個別の判断は、所轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確かめてください。
出典
- 労働基準法35条・36条・37条・41条・89条・116条・119条(e-Gov法令検索・2026年10月4日時点)
- 労働基準法施行規則12条の2・34条(同)
- 労働基準法第37条第1項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令(同)
- 休日(第35条)(栃木労働局)
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