管理人に給与を払う大家は、住民税も天引きして納める側になります|指定するのは市町村で、通知は5月31日まで

結論からお伝えすると、管理人などに給与を払って所得税の源泉徴収をする義務がある大家さんは、住民税についても、給与から天引きして市町村へ納める側になります。天引きする人に決めるのは大家さんではなく、市町村が条例で指定します(地方税法321条の4)。

所得税のほうの届出は人を雇った大家が税務署に出す届出で整理しました。ここでは住民税の側を、条文の順に開きます(2026年10月1日時点)。

住民税を天引きする人。給与支払報告書を出す、市町村が条例で指定、源泉徴収する人が対象、納入は翌月10日まで。

天引きして納める人は、市町村が指定します

321条の3は、前の年に給与をもらい、その年度の初日にも給与をもらっている人の住民税を、給与から天引きする方法(特別徴収)で集めるのを原則としています。

その天引きをする人を決めるのが321条の4です。市町村は、給与を払う人のうち、所得税法183条により所得税を源泉徴収する義務がある者を、条例で特別徴収義務者に指定して、徴収させなければなりません。つまり、所得税の源泉徴収の義務があるかどうかが入口で、従業員の人数は条文の線に入っていません。

1月31日までに、給与支払報告書を市町村へ出します

317条の6は、1月1日現在で給与を払っていて、所得税法183条の源泉徴収義務がある者に、同月31日までに給与支払報告書を出すよう求めています。提出先は、給与をもらっている人の1月1日現在の住所がある市町村です。

税額の通知は5月31日までに届きます

市町村は、特別徴収する税額を、特別徴収義務者と、その義務者を通じて本人に通知します。この通知は、その年の5月31日までにするものとされています(321条の4第2項)。

通知を受けた大家さんは、通知された年税額の12分の1を、6月から翌年5月までの毎月、給与を払うときに天引きします。天引きした月の翌月10日までに、市町村へ納めます(321条の5第1項)。

いつ やること 条文
1月31日まで 給与支払報告書を市町村へ出す 317条の6
5月31日まで 市町村から税額の通知が届く 321条の4第2項
6月から翌年5月 毎月の給与から12分の1を天引きする 321条の5第1項
天引きした月の翌月10日 市町村へ納める 321条の5第1項
住民税の年間の流れ。報告書を1月に出し、税額の通知が5月に届き、毎月の給与から天引きし、翌月10日までに納める。

納める回数を年2回にできる特例はありますか?

321条の5の2に、納期の特例があります。給与をもらう人が常時10人未満の事務所などで、市町村長の承認を受けた場合は、6月から11月分を12月10日までに、12月から翌年5月分を6月10日までに、まとめて納められます。1人だけ雇う大家さんは、人数の条件に当てはまります。承認は申請して受けるもので、自動では付きません。

都合の悪いことも書いておきます

  • この義務は、所得税の源泉徴収の義務があることが前提です。常時2人以下の家事使用人のみに給与を払う人は、所得税法184条で源泉徴収をしなくてよいとされています。賃貸経営のために雇う人が家事使用人に当たるかは、条文だけでは判断できません。
  • 給与の支給期間が1か月を超えるなど、特別徴収が著しく困難と認められる人は、321条の3の括弧書きで対象から除かれています。この判断をするのは市町村です。

税金の側の考え方は税理士報酬から源泉徴収をしなくてよい大家がいますも参考になります。個別の判断は、市町村の税務課か税理士に確かめてください。

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