管理人の労働時間は、1日8時間・週40時間までです|週44時間の特例に「清掃」の事業は入っていません

結論からお伝えすると、管理人や清掃のパートに働いてもらえる時間は、休憩時間を除いて1日8時間、1週間で40時間までです(労働基準法32条)。これを超えて働いてもらうには、別に書面の協定と届出が要ります。「週44時間まで」にできる特例もありますが、対象は一部の事業に限られ、清掃の事業は入っていません。現行の条文で確かめました(2026年10月5日時点)。

管理人の勤務の上限。1日8時間、週40時間、週44時間の特例は限られ、清掃の事業は入らない。

上限は「1日8時間」と「週40時間」の2本です

32条1項は、使用者は、労働者に、休憩時間を除いて1週間について40時間を超えて労働させてはならないと定めています。2項は、1週間の各日について、休憩時間を除いて1日8時間を超えて労働させてはならないとしています。週の上限と日の上限は別々に働きます。週に40時間以内でも、1日に9時間働いてもらえば、2項に当たります。

  • 9時から18時まで、休憩1時間、月曜から金曜:1日8時間、週40時間。上限ちょうどです
  • 上の勤務に、土曜の午前4時間を足す:週44時間。超えた4時間は上限の外です
  • 1日7時間を週5日:週35時間。あと5時間は、1日8時間の範囲で足せます

休憩の与え方は管理人の休憩は、6時間を超えたら45分です、週に1回の休日は管理人にも毎週1回の休日が要りますに書きました。この3つは、同じ勤務表の上で一緒に数えます。

週44時間の特例は、どの事業に使えますか?

施行規則25条の2第1項は、法別表第一の8号・10号(映画の製作の事業を除く)・13号・14号に掲げる事業のうち、常時10人未満の労働者を使うものは、32条にかかわらず、1週間44時間、1日8時間まで働かせられるとしています。

  • 8号:物品の販売、配給、保管もしくは賃貸、または理容の事業
  • 10号:映画の製作または映写、演劇その他興行の事業
  • 13号:病者または虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業
  • 14号:旅館、料理店、飲食店、接客業または娯楽場の事業

別表第一の15号は「焼却、清掃またはと畜場の事業」で、この特例の列挙には入っていません。栃木労働局の解説の表でも、清掃・と畜業は、1人から9人の規模でも週40時間です。

大家さんが雇う管理人の勤務が、どの号の事業に当たるのかは、条文だけでは読み切れません。8号は「物品の」賃貸と書いており、建物の賃貸が入るかは書かれていません。44時間が使えると決めつけず、40時間で勤務表を組むのが安全です。使いたい場合は、所轄の労働基準監督署に確かめてください。

週40時間と週44時間の比較。44時間が使える事業と条件は限られる。

週によって忙しさが違うときは、どうすればよいですか?

32条の2は、1か月以内の一定の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間を超えない定めをしたときは、特定された週や日について40時間や8時間を超えて働かせられるとしています。退去が重なる月末の週は長く、ほかの週は短くする形です。

この定めは、書面の労使協定か、就業規則その他これに準ずるものでします。協定でするときは、行政官庁へ届け出ます(32条の2第2項)。期間の起算日は、同じ書面で明らかにします(施行規則12条の2第1項)。どの週が長く、どの日が長いのかを、あらかじめ特定しておく必要があります。「忙しいときだけ長くする」という決め方は、この条文の形に入っていません。

待っているだけの時間は、労働時間に入りますか?

条文には、労働時間の定義が書かれていません。入居者からの連絡を待つ時間、住み込みで呼び出しに備えている時間が、32条の労働時間に数えられるかは、条文だけでは読み切れません。数える前提で、勤務表と出勤簿を作っておくのが無難です。許可を受けて、監視または断続的労働として41条3号の対象にした管理人は、32条そのものが外れます(管理人にも毎週1回の休日が要ります)。ただし、許可は自動では付きません。

守らなかったときは、どうなりますか?

119条1号は、32条に違反した者を、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。毎週の勤務の記録が残っているぶん、あとから説明がつかなくなります。超えた時間ぶんの賃金は、割増して払う決まりです(37条)。

都合の悪いことも書いておきます

  • 1週間を何曜日から数えるかは、32条に書かれていません。雇用条件の書面に決めておかないと、数え方が食い違います。
  • 管理人1人の勤務は、上の上限を超えない形に組めます。しかし、緊急の水漏れで時間が延びる日は、組み方では防げません。時間を延ばすなら、36条の協定が先に要ります。
  • 家事使用人には労働基準法が適用されません(116条2項)。賃貸経営のために雇う管理人が当たるかは、条文だけでは判断できません。
  • 出勤の時間は、賃金台帳に書く労働時間数の元になります(人を雇った大家が備える帳簿は2つです)。

今日やることを1つだけ選ぶなら

管理人の勤務を、直近の1週間ぶん、始業・終業・休憩を分単位で書き出してください。休憩を除いた時間を日ごとに足して、1日8時間を超えた日と、週の合計が40時間を超えたかを見ます。超えていたら、そのぶんの賃金の払い方を、アパートの管理人を雇う大家が書面で示すことに照らして見直します。個別の判断は、所轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確かめてください。

出典

  • 労働基準法32条・32条の2・41条・116条・119条・別表第一(e-Gov法令検索・2026年10月5日時点)
  • 労働基準法施行規則12条の2・25条の2・34条(同)
  • 労働時間(第32条)(栃木労働局)

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