管理会社の対応が遅い。改善を求めるか、変えるかの判断基準

結論からお伝えすると、判断の分かれ目は「遅い」の中身が連絡の遅さなのか、判断の遅さなのかです。連絡が遅いだけなら報告の仕組みを決めれば直ります。判断そのものが遅い、つまり見積が出てこない、修繕の可否を決められない、入居者の一次対応が止まる。こちらは会社の体制の問題なので、伝えても変わらないことが多く、変更を検討する段階に入ります。

釈迦に説法かもしれませんが、大家さん側が困るのは遅いこと自体ではなく、いつ返ってくるか分からないことです。まずそこを分けて考えます。

先に、うまくいかない伝え方から

「対応が遅いので何とかしてください」と伝える。これが最も変化を生まない伝え方です。受け取る側は謝罪して終わり、翌月には元に戻ります。実際に起きているのは、たとえばこうした状態です。

  • 退去の申し出があったことを知ったのが、通知から2週間後だった
  • 原状回復の見積を依頼して、出てくるまでに3週間かかった
  • その間に募集を開始できず、空室期間が1か月延びた。家賃7万円なら7万円の逸失
  • 担当者を交代してもらい、最初の1か月は改善したが、3か月後には元の速度に戻った

ここで一つ、業界でよく言われることを疑ってみます。「担当者を変えてもらえば直る」と言われますが、対応の速さは担当者の熱意ではなく会社の仕組みで決まります。担当が変わって一時的に良くなり、数か月で元に戻るのはそのためです。一人あたりの管理戸数、休日の受電体制、修繕の決裁ルート。この3つが変わらないかぎり、人を替えても速度は戻ります。

「遅い」を数字に置き換える

改善を求めるにせよ、変更するにせよ、最初にやることは同じです。感覚を数字に直します。下の表は一つの目安で、物件の規模や委託の範囲によって適正値は変わります。自分の基準を作るための出発点として使ってください。

場面一次返答の目安完了までの目安
水漏れ・鍵の紛失など緊急1時間以内当日中に現地対応
入居者からの設備不具合24時間以内3営業日以内に業者手配
退去の申し出受領当日〜翌営業日に所有者へ連絡
原状回復の見積提出依頼から5営業日以内立会いから10営業日以内
募集開始工事完了から3営業日以内に掲載
月次の収支報告翌月10日前後まで

直近3か月分を、この表に当てはめてみます。1件や2件の遅れは誰にでもあります。見るのは遅れた件数の割合です。半分以上で目安を超えているなら、偶然ではなく仕組みの問題です。

改善を求めるときは、要望ではなく約束の形にする

「早くしてください」は要望です。要望は守られなくても誰も困りません。約束の形にするというのは、次のように具体化することです。

  • 退去の申し出は、受領した当日中にメールで所有者へ転送してもらう
  • 5万円を超える修繕は、着工前に必ず見積を提出してもらう(金額の線引きを決める)
  • 月次報告は毎月10日までに、入出金明細と募集状況の2点を添えて送ってもらう
  • 内見が入った場合は、翌営業日に結果と入居希望者の反応を一行でよいので共有してもらう

これを口頭ではなくメールで送り、先方の同意を文面で受け取ります。管理委託契約の内容を変更するものではないので、覚書のような重い書式は不要です。そして3か月という期限を自分の中で決めます。3か月あれば、体制が変わったのか、その場しのぎだったのかは判別できます。

では、どこで見切りをつけるのか?

3か月経った時点で、次の表に当てはめます。

3か月後の状態考えられる原因とる行動
約束した項目の大半が守られている仕組みはあり、優先順位が低かっただけ継続。四半期ごとに確認を続ける
報告は来るが、判断や手配が遅いまま担当者の裁量が小さい、決裁が重い決裁ルートを確認し、改善余地がなければ変更を検討
約束した項目が守られていない管理戸数に対して人員が足りていない変更を具体的に進める
指摘のたびに態度が硬くなる関係そのものが機能していない変更を進める

変更を選ぶ場合でも、感情で急がないことが大切です。管理委託契約の解約予告は1か月前から6か月前まで幅があり、3か月前としているものが多く見られます。引き継ぎ作業にはさらに1〜2か月かかります。次の委託先を決めてから通知するのが原則です。手順はさいたま市で管理会社を変更する手順にまとめています。

「遅い」の原因が、管理会社の外にあることもある

都合のよいことばかり書いても仕方がないので、逆の話も書いておきます。見積が出てこない理由が、職人や設備業者の手配がつかないことである場合があります。繁忙期や、給湯器のように部材の供給が不安定な設備では、管理会社が急かしても2〜3週間動かないことは実際にあります。

切り分け方は単純で、遅れている理由を説明してもらえるかどうかです。「業者の予定が◯日まで埋まっている」と言えるなら状況は把握されています。理由が出てこないなら、把握されていません。空室が長引いている場合、原因が募集条件側にあることもありますので、空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントもあわせて確認してみてください。

まとめ

感覚を数字に直す。要望ではなく約束の形で伝える。3か月で判定する。この順番を踏めば、改善を求めるべきか変えるべきかは自然に決まります。担当者を替えてもらうだけで様子を見続けるのが、いちばん時間を失う選択です。

さいたま市周辺で管理会社の対応にお悩みでしたら、ご相談ください。いまの状態が改善で足りるのか、変更まで必要なのかを一緒に整理するところからでもかまいません。

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