管理人の休憩は、6時間を超えたら45分です|大家が確かめる労働基準法34条の3つの決まり
結論からお伝えすると、管理人や清掃のパートに与える休憩は、労働時間が6時間を超えたら45分以上、8時間を超えたら1時間以上です。しかも「労働時間の途中に」「自由に使える形で」与える決まりで、始業前や終業後に回して済ませることはできません。労働基準法34条を現行の条文で確かめました(2026年10月4日時点)。

6時間ちょうどなら、休憩の決まりは働きません
34条1項は、使用者は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えなければならないと定めています。「超える」と書いてあるので、6時間ちょうどの勤務には、この条文で休憩を求める根拠がありません。
| 1日の労働時間 | 与える休憩 |
|---|---|
| 6時間以下 | 34条は求めていない |
| 6時間を超え、8時間以下 | 少なくとも45分 |
| 8時間を超える | 少なくとも1時間 |
数えるのは休憩を除いた労働時間です(32条は「休憩時間を除き」と書いています)。拘束された時間の長さではありません。
9時から18時まで勤務で、休憩が45分だと足りないのはなぜですか?
9時から18時まで職場にいる人は、拘束が9時間です。休憩を45分にすると、労働時間は8時間15分になり、8時間を超えるので、1時間の休憩が必要になります。45分では15分足りません。
逆に、9時から17時45分までで休憩が45分なら、労働時間はちょうど8時間で、45分で足ります。休憩を決めるときは、拘束時間ではなく、休憩を引いたあとの労働時間で足し算してください。
所定の勤務が7時間で休憩45分の人でも、残業で労働時間が8時間を超える日があります。条文は「労働時間が8時間を超える場合」と書いているので、その日は1時間が必要になる読み方が一般的です。残業のある契約では、実際に超える日の扱いを労働基準監督署に確かめておくと安心です。
休憩は「途中に」「自由に」与えます
34条は、時間の長さのほかに、与え方を2つ決めています。
- 労働時間の途中に与える(1項)。早く帰らせることで休憩の代わりにすることはできません。
- 自由に利用させる(3項)。厚生労働省のよくある質問は、休憩時間とは、単に作業に従事しない手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいうと説明しています。
管理人の仕事で問題になるのは、後者です。休憩中も管理室の電話を取る、入居者から呼ばれたら出る、という形だと、作業をしていなくても「労働から離れている」とは言いにくくなります。同じ質問の中で、休憩を細かく分けた場合も、ごく短いと自由利用が事実上制限され、労働から完全に解放されているとは評価されないことがあると説明されています。

全員に一斉に与える決まりは、1人の管理人には関係しません
34条2項は、休憩を一斉に与えるのが原則で、労働者の過半数で組織する労働組合か過半数代表者との書面による協定があれば、この限りでないとしています。施行規則31条には、一斉付与を適用しない事業も挙げられています。
管理人を1人だけ雇う大家さんの場合は、全員が同時に休むという場面が起きないので、実際に困ることはほとんどありません。2人以上を同じ時間帯に働かせるときは、協定が要るかどうかを労働基準監督署に確かめてください。
住み込みの管理人は、休憩の決まりから外れますか?
外れる場合はありますが、自動では外れません。41条3号は、「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」には、労働時間・休憩・休日の規定を適用しないとしています。許可は、労働の態様と人数を示して、所轄の労働基準監督署長から受けます(施行規則34条)。許可を受けていない管理人には、34条がそのまま働きます。書面で示す内容と合わせて整理したものが、アパートの管理人を雇う大家が書面で示すことです。
守らなかったときは、どうなりますか?
119条1号は、34条に違反した者を、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。休憩を45分と書いた契約書で8時間を超えて働かせ続けるような形は、書面が残っているぶん、あとから説明がつきません。
都合の悪いことも書いておきます
- 家事使用人には労働基準法が適用されません(116条2項)。賃貸経営のために雇う管理人や清掃の人が当たるかは、条文だけでは判断できないので、雇い始める前に労働基準監督署へ確かめてください(清掃のパートを1人雇う大家の労災保険でも同じ点に触れています)。
- 住み込みの管理人に給与を払う場合の家賃の天引きは管理人の給与から家賃を引く大家は、書面の労使協定が要りますで扱っています。
- 34条は、休憩を与えることを求めているだけで、休憩時間の賃金を払うかどうかは決めていません。払わない場合は、休憩を除いた時間で時給や日給を決めたことが、書面で読み取れるようにしておくと行き違いを防げます。
- 休憩を除いた時間で足し算するため、勤務時間が長い日ほど、書面の書き方で違反か適法かが分かれます。始業・終業の時刻を残す帳簿は人を雇った大家が備える帳簿は2つですに書きました。
今日やることを1つだけ選ぶなら
いま雇っている人(これから雇う人)の始業時刻・終業時刻・休憩時間を紙に並べて、終業から始業を引き、休憩を引いた時間が8時間を超える日がないかを足し算してください。超える日があれば、休憩を1時間に直します。休憩とは別に付く有給休暇の日数は、週2日の清掃パートにも有給休暇は付きますにまとめました。個別の判断は、所轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確かめてください。
出典
- 労働基準法32条・34条・41条・116条・119条(e-Gov法令検索・2026年10月4日時点)
- 労働基準法施行規則31条・34条(同)
- 休憩時間を分割する場合どのようなことに注意が必要でしょうか。(厚生労働省)
- 休憩時間は法律で決まっていますか。(厚生労働省)
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