管理手数料5%は高いのか|料金だけで選ぶと失敗する理由
結論からお伝えすると、管理手数料が5%か3%かで判断すると、ほとんどの場合で損をします。理由は単純で、手数料の差額よりも、空室1か月分の損失のほうが大きいからです。家賃6万円の部屋なら、手数料2%分の差額は月1,200円。空室1か月は6万円。50か月分に相当します。
釈迦に説法かもしれませんが、賃貸経営で削れる費用と削ってはいけない費用があります。管理手数料は、その中間にあります。高ければよいわけでもなく、安ければ得でもありません。何が含まれているかで意味がまったく変わるからです。
相場はどのあたりか
賃貸管理の手数料は、家賃収入に対する割合で決まるのが一般的です。地域や物件規模で幅がありますが、おおむね次のような分布になります。
| 料率の目安 | よくある位置づけ | 注意点 |
|---|---|---|
| 3%前後 | 集金と送金が中心 | クレーム対応や立会いが別料金のことがある |
| 5%前後 | もっとも多い水準 | 含まれる業務の範囲が会社ごとに違う |
| 7〜8% | 戸数が少ない、遠方、築古など | 手間を料率で吸収している |
| 10%以上 | 清掃・巡回・立会いまで込み | 実務量に見合うかを個別に確認 |
家賃収入の合計が月50万円の物件で計算すると、3%なら1万5千円、5%なら2万5千円、8%なら4万円です。年額にすると18万円・30万円・48万円。差は確かにありますが、これが判断の主軸になるかというと、そうではありません。
先に、よくある失敗から
料率だけで決めた結果として起きやすいことを、先に並べます。
- 手数料は3%だったが、退去立会いが1件1万5千円、更新事務が1件1万円の別建てだった。年6件の退去と10件の更新で、年25万円が上乗せになった
- 料率は安いが、修繕の発注先が1社に固定されており、相見積もりが取れなかった。クロス張替えの単価が周辺より2割高いまま3年続いた
- 安い代わりに募集が自社サイト掲載のみで、他社への客付け依頼が積極的でなかった。結果として空室期間が平均で1か月ほど長くなった
- 手数料は上がったが、担当者が1人で50戸以上を抱えており、実際の対応速度は前と変わらなかった
4つ目が示すとおり、高い側にも失敗はあります。料率は、良し悪しの指標としてはあまり働かないということです。
見るべきは料率ではなく「含まれる業務」と「別料金の一覧」
比較のときに用意するとよいのが、次の一覧です。各社に同じ表を埋めてもらうと、料率の差が意味を持ちはじめます。
| 業務 | 手数料に含まれるか | 別料金なら金額 |
|---|---|---|
| 家賃の集金・送金・明細作成 | ほぼ含まれる | — |
| 滞納の督促(何日目から動くか) | 会社により差が大きい | — |
| 入居者からのクレーム一次対応 | 含まれることが多い | — |
| 24時間の緊急対応 | 別建てが多い | 1戸あたり月額の設定が多い |
| 退去立会い | 分かれる | 1件単位の設定が多い |
| 更新事務 | 分かれる | 更新料の一部または定額 |
| 共用部の定期清掃 | 別建てが多い | 回数と単価を確認 |
| 募集業務・広告料の負担 | 別 | 広告料の月数を確認 |
| 修繕の手配 | 手配は含む場合が多い | 工事代とは別に手配料の有無 |
この表を埋めると、3%の会社と5%の会社で年間の総額が逆転することがよくあります。判断すべきは料率ではなく、年間で実際に出ていく総額と、その対価として何が動くかです。
では、手数料は高いほうがいいのか?
そうではありません。ここで一つ、業界の言い回しに反することを書きます。管理手数料は「サービスの質の値段」ではなく、「その会社が1戸あたりにかけられる時間の値段」です。質を買っているのではなく、時間を買っている。そう考えると比較の仕方が変わります。
たとえば担当者1人が抱える戸数を聞いてみてください。1人で300戸を見ている会社と、1人で80戸を見ている会社では、同じ料率でも1戸に割ける時間がまったく違います。前者で1戸あたり月に使える時間が仮に10分だとすれば、後者は40分近くになります。料率よりも、この数字のほうが対応速度に直結します。
あわせて確認したいのが、直近1年の平均空室期間です。空室が平均1.5か月の会社と3か月の会社では、家賃6万円・10戸・年2件の退去という条件で、年間の差はおよそ18万円になります。手数料2%分の年額12万円を、これだけで超えます。
料率を下げたいときの現実的な交渉
今の会社に不満はないが料率だけ下げたい、という場合もあります。そのときは「下げてほしい」ではなく、条件を出すほうが通りやすくなります。複数棟をまとめて委託する、送金を月2回から1回に減らす、書類を紙から電子に切り替える。管理会社側の手間が減る提案とセットにすると、話が具体的になります。
なお、料率の変更は管理委託契約の変更にあたります。契約書の変更手続きや更新時期の扱いは契約ごとに違いますので、管理委託契約の解約予告は何か月前?もあわせて確認しておくと段取りがつけやすくなります。契約条項の効力に疑問がある場合は、弁護士など専門家にご確認ください。
まとめ
5%が高いか安いかは、それだけでは判断できません。別料金の一覧を埋めて年間総額を出す。担当者1人あたりの戸数を聞く。直近の平均空室期間を聞く。この3つで、料率よりはるかに実態に近い比較ができます。数字を出してくれない会社は、その時点で情報が一つ増えたと考えてよいと思います。
さいたま市周辺で賃貸管理の見直しをお考えでしたら、ご相談ください。今の契約書と明細を見ながら、年間総額を並べて比べるところからでもかまいません。
投稿者プロフィール
最新の投稿
管理会社の見直し2026年7月29日複数の管理会社に話を聞くときの進め方
管理会社の見直し2026年7月29日管理会社のランキングや一覧サイトの見方
管理会社の見直し2026年7月29日管理会社の調べ方|看板と実態を見分ける
管理会社の見直し2026年7月29日大手と地元、どちらの管理会社がいいのか
この記事の内容について、個別に相談したい方へ
さいたま市周辺で賃貸管理をお探しの方、いまの管理に迷いがある方のご相談をお受けしています。 まだ何も決めていない段階でもかまいません。


