面談で担当者に聞くべき7つの質問

結論からお伝えすると、管理会社との面談で確認する価値が高いのは、提案書の内容ではなく担当者と、その担当者に基準を渡している会社についての7つの事実です。受け持ち戸数、決裁できる金額、直近の実績、不在時の代理、報告の頻度と形式、業者の選び方、そして経営者が自分でも賃貸経営をしているかどうか。この7つは、どの会社にも同じ言い方で聞けます。

面談は30分から1時間程度で終わります。その短い時間で何を聞くかを決めておかないと、先方の説明を聞いて帰るだけになります。聞く狙いは担当者の人柄を測ることではありません。担当者の当たり外れは、本人の熱意ではなく会社の仕組みで決まります。その仕組みを見に行くための7問です。

面談の時間配分を、先に決めておく

先方の会社説明と提案に20分、こちらからの質問に20分、物件固有の相談に20分。この配分を頭に置いておくと、質問する時間がなくなりません。質問は紙に書いて持っていき、その場で答えをメモしてください。3社に会うと、記憶だけでは混ざります。

なお、面談に来る人と実際の担当者が別になることは珍しくありません。最初に「契約後、この物件を担当されるのはどなたですか」と確認しておくと、質問の宛先がはっきりします。

先に、よくある失敗から

面談で聞き損ねたことが、契約後に問題として戻ってくる形はだいたい決まっています。

  • 手数料の率だけを3社で比べて決めた。契約後、退去時の立会いが別料金だと分かった
  • 「24時間対応」と聞いて安心したが、受けるのは外部の受付窓口で、業者手配は翌営業日の担当者判断だった
  • 担当者が退職し、引き継ぎのメモがなく、過去の修繕履歴を大家さん側が説明する側になった
  • 修繕見積もりが常に1社からしか出てこない。系列会社へ発注する社内ルールがあると後で分かった

どれも、面談で一言聞いていれば事前に分かったことです。面談は説明を受ける場ではなく、確認する場だと考えたほうが実務に合います。

聞くべき7つの質問

そのまま読み上げて構わない形にしてあります。右の列は、その答えから読めることです。

質問その答えで何が分かるか
1. あなたは何戸を担当されていますか1件に割ける時間の総量。業界では一般に100戸から300戸程度という幅で語られるが、会社の体制で変わるため目安。即答できるかどうかも見る
2. 5万円の修繕は、あなたの判断で発注できますか決裁の重さ。当日発注できるのか、稟議に3営業日かかるのかで入居者を待たせる日数が変わる
3. 直近で担当された空室は、募集開始から契約まで何日でしたか実績を数字で持っているか。「だいたい早いです」で終わる場合は数字を管理していない
4. あなたが不在・退職されたとき、この物件は誰が見ますか属人化の度合いと引き継ぎの仕組み。物件ファイルが個人のメモか、社内で共有されているか
5. 報告書はどのくらいの頻度で、どんな形式で届きますか入出金明細だけか、募集の反響や内見数まで含むか。届かない会社も実際にある
6. 修繕の業者はどう決めていますか。相見積もりは取れますか発注先が固定されているか。系列会社への発注ルールがあるなら、この段階で分かる
7. 経営者の方は、自分でも賃貸経営をされていますか社内の判断基準が誰の損得から組まれているか。担当者は渡された基準の中で動く

7問すべてに完璧な答えが返ってくる担当者は、そう多くありません。全問正解を探すのではなく、どこが弱いかを把握して契約するのが現実的な使い方です。

7番目の質問を入れる理由

「経営者の方は、自分でも賃貸経営をされていますか」。目の前の担当者ではなく、その上にいる人について聞く質問です。不思議に思われるかもしれませんが、理由は一つです。担当者は、渡された判断基準の中で動いているからです。

経営者が自分で賃貸経営をしていると、社内の判断基準が大家の側から作られます。空室が1か月延びると手元からいくら消えるのかを、経営者が金額で知っているからです。家賃8万円の部屋が1か月空けば8万円、3室で3か月なら72万円。返済のある物件なら、その期間は現金が減り続ける期間でもあります。この金額感が基準として下りてくると、現場の優先順位が変わります。担当者が特別なのではなく、渡されている基準が違うのです。

この質問は1番・2番とセットで効きます。基準が大家の側から作られていて、担当戸数に余裕があり、担当者に決裁の権限がある。この3つが揃うと、報告や修繕の速さは自然とついてきます。逆にどれか一つでも欠けていると、熱意のある担当者に当たっても、その熱意は仕組みに削られます。

経営者が賃貸経営をしていない会社が劣るという話ではありません。確認したいのは肩書きではなく、その基準が大家さんの損得から組まれているかどうかです。答えにくい質問ではないので、面談の後半に自然に置いてください。

答えの中身ではなく、どこを見ればいいのか?

ここで、一般に言われることと少し違う点に触れます。面談は提案の質を比べる場だと思われがちですが、提案書の出来は営業担当の力量で決まり、契約後の管理の質は担当者の裁量で決まります。比べる対象が違うのです。だから、答えの巧拙より次の3点を見ます。

  • 即答か、確認して折り返すか。どちらでも構いません。ただし「後で調べます」と言った件が本当に届くかどうかは見ておきます。届かないなら、契約後も同じです
  • 数字で答えるか、形容詞で答えるか。「わりと早いです」ではなく「前回は21日でした」と返る人は、数字を管理しています
  • できないことを、できないと言うか。7問すべてに前向きな返事が返ってくる面談は、かえって注意が必要です

報告書の見方をあらかじめ知っておくと、5番目の質問がより具体的になります。管理会社の報告書は何を見ればいいかに項目ごとの見方をまとめています。

まとめ

7つの質問を紙に書いて、3社に同じ順番で聞く。それだけで、会社案内では見えなかった差が並びます。見ているのは人柄ではなく、戸数・決裁・判断基準という仕組みです。すでに委託中で乗り換えを考えている方は、管理会社を変えたいと思ったときに、最初に確認する3つのことを先に読んでから面談に進むと、順番を間違えずに済みます。

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