大宮・浦和・岩槻|賃貸経営の違い

結論からお伝えすると、大宮・浦和・岩槻の3つは、同じさいたま市でありながら入居者の層も、選ばれる理由も、経営で気をつける点も違います。ざっくり言えば、大宮は交通、浦和は住環境、岩槻は敷地。この軸の違いを踏まえずに他エリアの成功例をそのまま持ち込むと、うまくいきません。

先に断っておくと、この記事では家賃相場や人口の具体的な数値は出しません。年や地点で振れる数字を並べても判断材料にならないためです。ここでは定性的な傾向と、確認すべき項目の整理に絞ります。数値はご自身の物件の最寄り駅で取ってください。

先に、よくある失敗から

エリアの読み違いは、募集が始まってからでは取り返しにくいものです。

  • 大宮駅の名前だけで判断して駅から徒歩20分の単身向けを取得したが、同じ家賃帯で駅近の物件が並んでいて競り負けた
  • 浦和エリアでファミリー向けの需要が固いと聞き、間取りだけをファミリー向けにしたが、駐車場がなく候補から外され続けた
  • 岩槻の物件を、大宮と同じ感覚で駐車場なしのまま募集した
  • 3区とも同じ募集条件・同じ写真の撮り方で出していて、どこに刺さっているのか分からないまま1年が過ぎた

いずれも「さいたま市」という一括りで考えてしまったことが原因です。賃貸経営の単位は市ではなく、最寄り駅と徒歩分数です。

3エリアの性格を並べてみる

大宮浦和岩槻
選ばれる主な理由複数路線が使える交通の利便落ち着いた住環境と教育環境敷地の広さと車での移動のしやすさ
厚くなりやすい層単身、社会人、法人契約ファミリー、長く住む層ファミリー、車を持つ世帯
競合の多さ多い。供給も厚い中程度。分譲との比較も入る相対的に少ないが、範囲が広い
効きやすい要素駅からの徒歩分数、設備の新しさ間取り、収納、周辺環境駐車場の台数、庭・物置
注意点駅から離れると一気に条件が厳しくなる賃貸で選ばれる理由を明確にする必要があるエリア内でも交通条件の差が大きい

大宮|駅からの距離が、そのまま条件になる

大宮は複数の路線が集まる交通の要で、単身者と法人契約の需要が厚いエリアです。ここで気をつけたいのは、需要が厚いということは供給も同じだけ厚いということです。

「大宮なら黙っていても埋まる」と言われることがありますが、駅名で戦えるのは歩ける範囲までです。徒歩15分を超えたあたりから、入居者が比べる相手は大宮の駅近物件ではなく、隣の駅の駅近物件に変わります。この切り替わりに気づかず、駅名を売りにした募集を続けてしまうケースは少なくありません。

徒歩10分を超える物件なら、駅からの距離以外の軸を作る必要があります。単身向けなら室内設備、社会人向けなら宅配ボックスや通信環境。このあたりは投資額に対する反応が読みやすい部分です。

浦和|賃貸で選ばれる理由を、はっきりさせる

浦和は住環境や教育環境を重視する層の関心が高いエリアです。ファミリー層の動きが読みやすい反面、この層は購入という選択肢も並べて検討します。つまり、比較対象に賃貸物件だけでなく分譲マンションや建売住宅が入ってきます。

そこで問われるのが「なぜ買わずに借りるのか」です。転勤の可能性がある、数年後に地元へ戻る、まだ学区を決めきれない。そうした事情の方に選ばれるには、契約の柔軟さや原状回復の説明のしやすさが効いてきます。長く住んでもらえる層でもあるので、入居時に少し費用をかけてでも状態を整えるほうが、10年で見たときに有利になることが多いエリアです。

岩槻|駐車場をどう扱うかで、反響が変わる

岩槻は敷地に余裕のあるエリアが多く、車での移動を前提とした生活が中心になります。ここでの分かれ目は駐車場です。ファミリー向けであれば1戸に1台では足りず、2台目を求められる場面が出てきます。

敷地に余裕があるなら、駐車区画を1つ増やすことが最も費用対効果の高い工事になることもあります。逆に、区画が確保できない物件は、間取りが良くても候補から外れてしまいます。募集図面に台数と駐車場代を明記しているかどうかだけでも、問い合わせの数は変わります。

また岩槻は範囲が広く、同じ区内でも駅から近い場所とバス便の場所では条件がまったく違います。「岩槻の相場」という言い方に意味がないエリアだとお考えください。

では、どのエリアが賃貸経営に向いているのか?

この問いには、一般論としての答えはありません。すでに物件をお持ちであれば、エリアは選べないからです。考えるべきは「向き不向き」ではなく、いま持っている物件が、そのエリアで選ばれる理由を持っているかです。

確認するのは3つで足ります。最寄り駅からの徒歩分数。同じ駅・同じ間取り帯で、いま何室が募集に出ているか。その中で自分の部屋が上位3つに入る理由があるか。この3つ目が言葉にならないなら、条件を動かす前にそこから考えたほうが早道です。整理の手順は空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントにまとめています。

まとめ

大宮は交通、浦和は住環境、岩槻は敷地。この違いを踏まえたうえで、市ではなく駅と徒歩分数で考える。そして自分の部屋が選ばれる理由を一行で言えるようにする。エリアの違いを扱うというのは、結局そこに行き着きます。管理を任せる先を検討されている場合は管理会社を変えたいと思ったときに、最初に確認する3つのこともご参照ください。

さいたま市周辺で、エリアに合った募集条件をどう組むかにお悩みでしたら、ご相談ください。物件を見ずにお話だけ伺う形でもかまいませんし、管理を任せるかどうかを決めていない段階でも問題ありません。

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