さいたま市の借家で全部の窓が二重サッシ・複層ガラスなのは6.3%|大家が統計書12-6で見る省エネ設備の普及

さいたま市統計書の「12-6」を開くと、表のいちばん下に「借家」の行が1本だけあります。右端の「二重以上のサッシ又は複層ガラスの窓」の3列をたどると、「すべての窓にあり」が1万3,100戸、「一部の窓にあり」が1万2,500戸、「なし」が18万2,100戸でした。借家20万7,700戸のうち、窓に何の手当てもない住宅が9割近くを占めています。

結論からお伝えすると、さいたま市の借家で、すべての窓が二重サッシか複層ガラスなのは6.3%です。持ち家は22.4%なので、約3.5倍の差があります。屋根の太陽光発電は借家で0.9%でした。新しい住宅ほど普及していますが、2021年以降に建った住宅でも「なし」が半分近く残っています。全部の窓に入っている部屋は、市内の借家では少数派です。

この記事では、統計書12-6の数字を「持ち家と借家」「建てた時期」の2つの切り口で並べ、募集や工事を考える前に読み違えやすい点を整理します。

さいたま市の借家で全部の窓が二重サッシか複層ガラスなのは6.3%、窓に手当てがないのは87.7%、太陽光は0.9%であることをまとめた図

さいたま市の借家に、二重サッシはどれだけ入っているのか

12-6は、総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」(令和5年10月1日現在)の結果を、さいたま市分だけ取り出した表です。省エネルギー設備として、窓のほかに太陽熱の温水機器と太陽光の発電機器が並んでいます。

設備 持ち家(35万9,000戸) 借家(20万7,700戸)
すべての窓に二重以上のサッシ・複層ガラス 8万500戸(22.4%) 1万3,100戸(6.3%)
一部の窓に二重以上のサッシ・複層ガラス 6万8,400戸(19.1%) 1万2,500戸(6.0%)
窓に二重以上のサッシ・複層ガラスなし 21万100戸(58.5%) 18万2,100戸(87.7%)
太陽光を利用した発電機器あり 2万1,300戸(5.9%) 1,900戸(0.9%)
太陽熱を利用した温水機器等あり 9,500戸(2.6%) 800戸(0.4%)

(出典:さいたま市「第25回さいたま市統計書(令和7年版)」12-6 建築の時期(9区分),省エネルギー設備等(7区分)別住宅数。割合はこの記事で計算した目安で、統計書の公表値ではありません)

借家では、「すべて」と「一部」を合わせても12.3%です。持ち家は41.5%なので、何かしらの窓に手当てがある住宅の割合は、借家が持ち家の3分の1以下ということになります。

新しい住宅なら、窓は二重になっているのか

12-6には、建てた時期ごとの行もあります。ただし、この行は持ち家と借家を合わせた数字です。借家だけを建てた時期で分けた行は、12-6にはありません。その前提で並べると次のとおりです。

建てた時期 住宅数 すべての窓にあり 一部の窓にあり なし
1970年以前 1万7,800戸 6.7% 9.6% 84.3%
1971〜1980年 5万4,500戸 7.0% 12.1% 81.1%
1981〜1990年 9万1,300戸 5.0% 11.3% 83.7%
1991〜2000年 12万5,800戸 7.9% 11.6% 80.4%
2001〜2005年 6万1,300戸 19.2% 16.2% 64.8%
2006〜2010年 5万6,500戸 24.8% 16.8% 58.4%
2011〜2015年 5万6,800戸 31.5% 18.8% 49.5%
2016〜2020年 6万7,500戸 30.1% 17.5% 52.3%
2021〜2023年9月 2万8,200戸 34.0% 17.4% 48.6%

(出典:同上。持ち家と借家の合計の行。割合はこの記事で計算した目安)

表から読めることは3つです。

  1. 2000年以前に建った住宅は、どの時期も「なし」が8割を超えます。1970年以前と1990年代で、ほとんど差がありません
  2. 2001〜2005年で「すべて」が7.9%から19.2%へ、一段上がります。ここが境目です
  3. 2011年以降は「すべて」が30%台で横ばいです。2021年以降に建った住宅でも、「なし」が48.6%残っています

「新しいアパートならペアガラスが当たり前」と思われがちですが、市内の数字はそうなっていません。ただし、この行には持ち家も入っているので、借家だけで見たときに新しい物件がどこまで普及しているかは、この表からは分かりません。

2000年以前に建った住宅と2011年以降に建った住宅で、二重サッシ・複層ガラスの普及率を比べた図(持ち家と借家の合計)

太陽光を載せている借家はどれくらいあるのか

借家で太陽光の発電機器があるのは1,900戸、0.9%です。持ち家の5.9%と比べても少なく、借家の屋根に太陽光が載っているのは100戸に1戸ほどです。

載せている物件が少ないことは、載せれば差がつくという意味にも、載せる理由が乏しいという意味にもなります。電気を誰が使い、売電の収入を誰が受け取るかで、大家の手取りは大きく変わります。売電単価の段と期間の考え方は、アパートの屋根の太陽光は、24円が10年続くわけではありませんで整理しています。

この数字を、募集や工事の判断にどう使うか

全部の窓に入っているなら、借家の上位6%

すべての窓が二重サッシか複層ガラスの部屋は、市内の借家では6.3%しかありません。設備として持っているなら、募集の資料に書く価値のある項目です。そのときは「全窓」か「一部の窓」かを分けて書いてください。統計でも「すべて」と「一部」は別の列になっています。北側の小窓だけ単板ガラス、という部屋を「複層ガラス」とひとまとめに書くと、内見で食い違いが出ます。

和室の障子は「二重」に数えない

総務省の用語の解説では、二重以上のサッシを「外窓と内窓が二重以上の構造となった窓」とし、内側が障子の場合は含めないと書いています。築古の和室で、外のアルミサッシと内側の障子で二重になっている部屋は、統計の上では「なし」の側です。募集の資料でも、障子の窓を二重サッシとは書かないほうが安全です。

普及率は、家賃の上乗せを示していない

12-6は「どれだけの住宅に設備があるか」の表です。設備がある部屋のほうが家賃が高いか、早く決まるかは、この表には一切出てきません。内窓を付けるかどうかは、工事費と、その部屋で結露や寒さの苦情がどれだけ出ているかで判断するのが筋です。窓の工事には、地域によって交換できるサッシが限られる場合もあります。準防火地域の扱いは準防火地域の窓は、普通のサッシに替えられないことがありますに、既存のアパートに省エネ基準の義務がかかるかどうかは築古アパートに省エネ基準の適合義務はかかりませんにまとめています。

この数字を読むときの注意

  • 空室は入っていません。用語の解説では、省エネルギー設備は「人が居住する住宅」について調べたものです。いま空いている部屋は、この表の外です
  • 全部を数えた数字ではありません。住宅・土地統計調査は抽出調査で、数字は推計値です。100戸単位で丸められているため、行を足すと100戸ずれることがあります
  • 総数には「不詳」が入っています。住宅総数59万4,400戸は、持ち家と借家の合計56万6,700戸より2万7,700戸多く、建てた時期の行を足しても59万4,400戸になりません
  • 借家には、民営のアパートだけでなく公営住宅・UR・社宅も入ります。民営借家だけの窓の数字は、12-6にはありません
  • 区ごとの行はありません。12-6は市全体の表です。区ごとの部屋の広さはさいたま市の民営借家は1戸43.26平方メートル、区で最大16平方メートル違うで、比べる相手になる公的な借家はさいたま市の公営住宅は県営が市営の3.9倍で扱いました

まずは、ご自分の物件の窓を1部屋ずつ見て、「すべて」「一部」「なし」のどれに当たるかを数えてみてください。全部の窓に入っている部屋が1つでもあれば、それは市内の借家の6%側です。次の募集の資料に、その1行を書き足すところから始められます。

出典

  • さいたま市「第25回さいたま市統計書(令和7年版)」12-6 建築の時期(9区分),省エネルギー設備等(7区分)別住宅数(令和5年10月1日現在・資料:総務省統計局「住宅・土地統計調査報告」。2026年11月5日に原表を確認)。割合はこの記事で公表数値から計算
  • 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説」(省エネルギー設備等・二重以上のサッシ又は複層ガラスの窓の定義)

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