さいたま市の家賃相場の調べ方

結論からお伝えすると、さいたま市の家賃相場は「市の平均」で見ても意味がなく、自分の物件と条件が重なる部屋を20件集めて比べるのが最も確実です。区の平均も、駅の平均も、判断材料にはなりません。必要なのは、いま入居希望者が自分の部屋と並べて見ている部屋の家賃です。

この記事では、その20件をどう集めるか、集めた数字をどう読むかを手順で書きます。特定のサービスを勧めるものではなく、どなたでも無料で使える範囲での調べ方です。

先に、よくある失敗から

相場を調べたつもりで、実は違うものを見ていた、という失敗がとても多い分野です。

  • ポータルサイトで駅名だけを入れて出てきた平均額を相場だと思い、築年数も面積も違う部屋と比べていた
  • 近所の物件の募集家賃を見て「うちも同じで出せる」と判断したが、その部屋は半年以上決まっていなかった
  • 数年前に取った査定書の数字をそのまま使い続けていた
  • 管理会社から提示された家賃を、根拠を聞かずにそのまま受け入れていた

2つ目が本質を突いています。募集に出ている家賃は、まだ誰も払っていない金額です。決まった家賃だけが相場であって、掲載中の家賃の平均は「大家さんたちの希望額の平均」にすぎません。

手順1|比較する条件を先に固める

検索する前に、自分の部屋の条件を紙に書き出します。ここを曖昧にしたまま検索すると、比べる相手がずれます。

項目絞り方の目安
最寄り駅自分の物件の最寄り駅。隣駅は別扱いにする
徒歩分数自分が10分なら、5分〜15分の範囲まで
間取り同じ間取り。1Kと1DKは分けて集める
専有面積自分の面積のプラスマイナス3平米程度
築年数プラスマイナス10年の帯で見る
建物構造木造・鉄骨・鉄筋コンクリートを区別する

この6項目を決めてから検索すれば、出てくる部屋がそのまま競合になります。

手順2|ポータルサイトで20件集める

大手の賃貸ポータルサイトを2つか3つ使います。同じ物件が別々のサイトに出ていることも多いので、住所と面積で重複を除きます。集めるのは20件を目安にしてください。10件では偏り、50件では条件が広がりすぎます。

表計算ソフトに次の項目を並べます。家賃、管理費、敷金礼金、面積、築年、徒歩分数、階数、主な設備、そして掲載開始からどれくらい経っているか。家賃と管理費は必ず合算した「総額」で比べてください。管理費を下げて家賃を上げている部屋、その逆の部屋が混ざっているためです。

手順3|掲載期間で「決まっている家賃」を見分ける

ここが最も大事な工程です。20件のうち、長く出続けている部屋を外します。目安として、3か月以上掲載され続けている部屋の家賃は、相場ではなく「その金額では決まらなかった証拠」として扱います。

掲載日が表示されないサイトもありますが、方法はあります。同じ検索条件を保存しておき、2週間おきに開いて、消えた部屋を記録するのです。1か月で消えた部屋の家賃帯が、実際に決まっている水準に近いと考えられます。手間はかかりますが、3回も繰り返せば自分のエリアの動き方が体で分かるようになります。

手順4|公的なデータで大きな傾向を確かめる

ポータルサイトだけでは、その時点の募集状況しか見えません。もう少し広い視野で確かめたいときは、公的な情報を使います。

  • 国土交通省が公開している不動産の取引価格や地価の情報。賃貸ではなく売買が中心ですが、エリアの水準の変化を追えます
  • 総務省の住宅・土地統計調査。5年ごとの調査で、住宅の種類や空き家の状況を市区単位で把握できます
  • さいたま市が公開している人口・世帯数の統計。区ごとの世帯数の増減が分かります
  • 国土交通省の地価公示・都道府県地価調査。地点ごとの推移を見られます

これらは家賃そのものを示すものではありません。「このエリアは世帯が増えているのか減っているのか」という背景を確かめるために使います。ポータルサイトの20件が示す今の数字と、公的データが示す方向。この2つが揃って、はじめて判断材料になります。

管理会社の数字は、そのまま信じていいのか?

信じていいかどうかではなく、根拠を出せるかどうかで見てください。仲介や管理を行う会社は、業者間で共有される成約情報を見ることができます。これは大家さんが自分で見ることのできない情報なので、聞く価値があります。

聞き方は簡単です。「直近半年で、この駅の同じ間取り帯で決まった事例を3件、家賃と築年と徒歩分数つきで教えてください」。この一文だけで十分です。すぐ出てくる会社であれば、その数字は信頼できます。出てこない、あるいは「相場的にこのくらいです」としか返ってこない場合は、根拠のない金額で募集していることになります。対応の判断基準は管理会社の対応が遅い。改善を求めるか、変えるかの判断基準にまとめています。

まとめ

条件を6項目で固める。20件集めて総額で並べる。3か月以上出ている部屋は外す。公的データで方向を確かめる。そして成約事例を3件出してもらう。この5工程を一度やっておけば、次からは30分で更新できます。集めた数字をどう使うかは空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントをあわせてご覧ください。

さいたま市周辺で、いまの募集家賃が適正かどうか判断に迷っていらっしゃる方は、ご相談ください。比較表の作り方をお伝えするだけでもかまいませんし、管理を任せるかどうかを決めていない段階でも問題ありません。

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