週2日の清掃パートにも有給休暇は付きます|大家が確かめる労働基準法39条3項の比例付与は、週1日でも半年で1日です

結論からお伝えすると、アパートの清掃などで週2日だけ働くパートにも、年次有給休暇は付きます。ただし日数は、正社員に付く10日ではなく、週の所定労働日数に合わせて減った日数になります。これが労働基準法39条3項の「比例付与」です。

ここでは条文と施行規則の表を開いて、パートに付く日数と、大家さんが見落としやすい「年5日」の線を整理します(2026年10月1日時点)。

付く条件は、6か月の勤務と8割の出勤です

労働基準法39条1項は、雇い入れの日から6か月間継続して勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に、有給休暇を与えなければならないと定めています。パートやアルバイトという呼び名で、この条件が変わることはありません。

正社員のように週5日働く人には、この条件を満たした時点で10労働日が付きます。週の勤務日が少ない人は、同条3項により、この日数を基準にして勤務日数の比率で減らした日数が付きます。

有給休暇が付く条件と日数。半年の継続勤務、8割以上の出勤、週30時間未満が比例付与の対象、日数は表で決まる。

週の勤務日数ごとの日数は、施行規則24条の3の表で決まります

比例付与の対象は、週の所定労働時間が30時間未満で、週の所定労働日数が4日以下の人です(施行規則24条の3)。表の日数は、雇い入れから6か月・1年6か月・2年6か月と続いて、6年6か月以上までです。

週の所定労働日数 6か月 1年6か月 2年6か月 3年6か月 4年6か月 5年6か月 6年6か月以上
4日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日

たとえば週2日の清掃パートなら、半年たった時点で3日、1年半で4日です。週1日でも、半年たてば1日付きます。

勤務日が週で決まっていない人は、1年間の日数で見ます

「今週は2日、来週は3日」のように、週で所定労働日数が決まっていない人もいます。同条3項2号は、週以外の期間で所定労働日数が決まっている労働者について、1年間の所定労働日数で区分すると定めています。施行規則の表では、たとえば169日から216日までが週4日に当たり、73日から120日までが週2日に当たります。

週3日や週4日のパートは、年5日を取らせる義務の対象になります

39条7項は、年10日以上の有給休暇が付く労働者について、そのうち5日は、基準日から1年以内に、使用者が時季を決めて与えなければならないと定めています。違反すると、30万円以下の罰金の定めがあります(120条1号)。

表で見ると、週4日は3年6か月で10日に達し、週3日は5年6か月で10日に達します。週2日と週1日は、表の最大が7日と3日なので、この義務の対象にはなりません。長く同じ人に頼んでいる大家さんほど、途中で線を越えていることに気づきにくい点です。

年5日の線の違い。週4日のパートは3年6か月、週3日のパートは5年6か月で10日に達する。週2日以下は最後まで対象外。

有給を取った日の賃金はいくらですか?

39条9項は、有給休暇の期間について、平均賃金か、所定労働時間働いた場合の通常の賃金のどちらかを、就業規則などで定めたとおりに支払うよう求めています。時給で働く人なら、その日に働いたはずの時間分の時給を払う形がわかりやすい方法です。どちらにするかは、雇い始めるときに書面で示しておくと行き違いを防げます(アパートの管理人を雇う大家が書面で示すこと)。

都合の悪いことも書いておきます

  • 家事使用人には労働基準法が適用されません(116条2項)。賃貸経営のために雇う清掃の人がこれに当たるかは、条文だけでは判断できないため、雇い始める前に労働基準監督署へ確かめてください(清掃のパートを1人雇う大家の労災保険でも触れています)。
  • 日数の管理は、時季・日数・基準日を労働者ごとに書いた年次有給休暇管理簿に残す決まりです(施行規則24条の7)。人数が1人でも同じです。
  • 給与ではなく報酬として払う形なら、源泉徴収の扱いが変わります(税理士報酬から源泉徴収をしなくてよい大家がいます)。ただし、有給休暇の条文が当てはまるかどうかは、払い方の名前ではなく労働者にあたるかで決まるため、迷うときは雇い始める前に確かめてください。

個別の判断は、所轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確かめてください。

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