空室が続くのは管理会社のせいか、物件のせいか
結論からお伝えすると、空室が続く原因は「反響の数」と「内見からの決定率」のどちらが落ちているかを見れば、ほぼ切り分けられます。反響が来ないなら物件条件と見せ方の問題、内見はあるのに決まらないなら室内と接客の問題です。管理会社のせいか物件のせいかは、感情ではなく、この2つの数字で決まります。
釈迦に説法かもしれませんが、空室が長引くと、どうしても「募集に力を入れてくれていないのでは」という気持ちになります。その疑いが正しいこともあります。ただ、確かめずに会社を変えると、同じことが繰り返されます。
まず、2つの数字を出してもらう
管理会社に依頼するのは次の2つだけです。難しい資料ではなく、募集を動かしていれば必ず手元にあるものです。
- 直近3か月の反響件数(問い合わせの数。ポータルサイトからの件数を含む)
- そのうち内見に至った件数と、申込みに至った件数
目安として、募集が動いている状態なら、単身向けの1室で月に3件から8件程度の反響が出ることが多いとされています。地域や時期で幅がありますので断定はできませんが、1か月で反響が0件という状態は、時期を問わず何かが止まっているサインだと考えて差し支えありません。
| 状態 | 疑うべき場所 | 最初に動かすもの |
|---|---|---|
| 反響が0〜1件 | 掲載・条件・広告料 | ポータル掲載の有無、写真、家賃 |
| 反響はあるが内見にならない | 写真と募集図面 | 写真の撮り直し、間取図の作り直し |
| 内見はあるが決まらない | 室内・共用部・接客 | におい、清掃、案内後のフォロー |
| 申込みは入るが審査で落ちる | 保証会社の基準と家賃設定 | 家賃と入居条件の見直し |
この表の左端がどこに当てはまるかで、責任の所在がだいたい分かります。ここまでは数字だけの話です。
先に、よくある失敗から
切り分けをせずに動いたときに起きることを、先に挙げます。
- 管理会社を変えたが、家賃が周辺相場より8千円高いままだった。半年後も空室のまま、引き継ぎの手間だけが残った
- 家賃を5千円下げたが、実際の原因は掲載写真が3年前の退去直後のもので、室内の現状と違っていたことだった。年6万円の減収が固定された
- 広告料を2か月分に増やしたが、そもそもポータルサイトへの掲載が止まっていた。増やした広告料が効く場所に届いていなかった
- 反響件数を聞いたら「把握していない」と返ってきた。数字を持っていないこと自体が答えだったが、それに気づくのに3か月かかった
4つ目は、実は判断材料としてかなり大きなものです。反響件数を出せない会社は、募集の結果を検証していないということになります。
管理会社側の要因が疑われるとき
次のような状態が確認できたら、募集の運用そのものに手が入っていない可能性があります。
- 主要なポータルサイトで自分の物件を検索しても出てこない、または1サイトにしか出ていない
- 掲載写真が10枚未満、または室内写真が3枚以下
- 募集図面の設備欄が空欄だらけで、更新日が半年以上前
- 他社が客付けした場合の広告料が設定されておらず、他社に案内する動機がない
- 問い合わせのメールに返信するまで、平均で1日以上かかっている
特に最後の1点は、大家さんでも確かめられます。知人に依頼して、一般の問い合わせとして反響を入れてもらう方法です。返信までの時間と、内容の丁寧さで、募集の温度が分かります。
では、家賃を下げれば決まるのか?
ここで一つ、よく言われる話をひっくり返します。「空室が続くなら家賃を下げるしかない」というのは、多くの場合で間違いです。下げるべきは家賃ではなく、入居者が最初に払う金額のほうです。家賃を3千円下げると、その減収は入居者が住み続ける限り毎月続きます。4年住めば14万4千円です。一方、礼金を1か月分ゼロにする、フリーレントを1か月付けるといった手は、負担が一度きりで終わります。家賃6万円なら6万円です。
検索する側から見ても、家賃6万3千円が6万円になっても表示上の帯は変わらないことがあります。それより「初期費用が10万円下がる」ほうが、判断への影響が大きい場面は少なくありません。もちろん物件と地域によりますので、効果を保証するものではありません。ただ、順番として先に試す価値はあります。
募集条件の触り方は空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントで、項目ごとに整理しています。
物件側の要因は、いつ受け入れるか
反響も内見もあるのに決まらない。写真も直した。条件も動かした。それでも埋まらないなら、物件そのものの競争力が周辺に負けている可能性を考える段階です。
ここで築年数を理由にする方が多いのですが、築古であること自体が決定的な要因になるとは限りません。同じ築30年でも、洗面台と給湯器が新しいだけで反響が変わることはよくあります。設備の更新に20万円かけて、家賃を3千円上げずに維持できたなら、年3万6千円の減収を防いだことになります。回収期間はおよそ5年半という計算です。
そのうえで、それでも動かないときに管理の見直しを検討することになります。判断軸は管理会社の対応が遅い。改善を求めるか、変えるかの判断基準と共通しています。
まとめ
反響件数と内見からの決定率。この2つを聞くところから始めてください。数字が出てくれば原因はほぼ絞れますし、数字が出てこなければ、それ自体が管理の実態を示しています。会社を変えるかどうかの判断は、そのあとで十分に間に合います。
さいたま市周辺で空室が続いている物件について、ご相談ください。募集条件と反響の数字を一緒に見るところからでもかまいません。
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