大家が自分で入居者を募集する方法

結論からお伝えすると、大家さんが自分の所有物件を自分で貸す行為は、一般的には宅地建物取引業の免許を必要としないと整理されています。したがって募集も契約も自分で行えます。ただし浮くのは仲介手数料の1か月分だけで、空室が1か月延びれば同じ額が消えます。この記事では、募集の4段階と、どこまで自分でやるのが現実的かを整理します。

ご存じの方も多いと思いますが、募集で一番効くのは家賃の額ではなく、物件が人の目に触れる回数です。自分で募集するかどうかを考えるときも、判断の軸はそこに置いてください。

先に、よくある失敗から

自分で募集して行き詰まった例として、次のようなものが挙がります。

  • 個人向けの掲示サイトに1枚の外観写真だけで出し、3か月で問い合わせが2件だった
  • 内見の日程調整をすべて自分で受けていたため、土日しか対応できず候補者が離れた
  • 審査を自分の勘で行い、入居3か月目から滞納が始まった
  • 手数料を節約したつもりが、空室が5か月続いて家賃7万円 × 5か月分を失った
  • 知り合いの大家さんの部屋も一緒に紹介し、謝礼を受け取ってしまった

5つ目は法令上の問題があります。1つ目から4つ目は、募集そのものが悪いのではなく、掲載される場所と、審査の根拠が足りていなかったという話です。この2つは補えます。

免許は要るのか、要らないのか

自分が所有する物件を自分が貸主として貸し出す行為は、一般的には宅地建物取引業には当たらないと整理されています。売買の媒介や、他人の物件の貸借の媒介を報酬を得て反復継続的に行う場合に免許が必要になる、という考え方です。

行為一般的な整理
自分の物件を、自分が貸主として貸す免許を要しないとされる
他人の物件の入居者を紹介し、報酬を受け取る媒介に当たる可能性が高い。免許が必要
借り上げた部屋を第三者に貸し、業として繰り返す形態により扱いが変わる。事前確認が必要
自分の物件を売る場合区画数・反復継続性により判断が分かれる

ここで注意が必要なのは、判断が「反復継続性」や「転貸の有無」といった実態で変わる点です。戸数が多い、法人で行う、転貸を含む、といった事情があるときは、募集を始める前に都道府県の宅地建物取引業免許の担当窓口へ確認してください。窓口で口頭の相談に応じてもらえます。契約書の条項や特約の妥当性については、弁護士・司法書士にご確認ください。

募集の4段階と、それぞれの実務

段階やること目安
1. 条件を決める周辺の成約事例から家賃・敷金・礼金・初期費用を決める。募集図面を作る類似物件を10件以上見て中央値を取る
2. 見せる場所を増やす個人が出せる掲示サイト、地域の掲示板、近隣企業の社宅担当、仲介会社への持ち込み掲載は3か所以上。写真は15枚以上、明るい時間帯に撮る
3. 内見と申込鍵の受け渡し方法、内見の受付時間、申込書の様式を先に決める問い合わせから内見まで48時間以内を目標に
4. 審査と契約保証会社の審査を通す。契約書・重要事項の説明の扱いを整理する保証会社の初回料は総賃料の30〜50%程度が多い

この4段階のうち、自分でやる価値が高いのは1と2です。条件は所有者本人が一番速く決められますし、写真も自分で撮り直せます。反対に3と4は時間の制約が強く、平日の日中に動けない方には向きません。写真や条件の見直し方は空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントにまとめてあります。

どこまで自分でやるのが得なのか?

金額で見ると答えが出ます。家賃7万円の部屋で仲介手数料が1か月分なら、節約できるのは7万円ほどです。一方、自分で募集して空室が1か月延びれば7万円が消え、2か月延びれば14万円の損になります。一般的には「自分で募集すれば手数料が浮く」と言われますが、実際に効くのは手数料ではなく決まるまでの日数です。1日でも早く決めた側が勝ちます。

現実的な線引きは、条件決めと写真は自分でやり、掲載と内見対応は仲介会社にも並行して依頼する形です。専任で1社に絞る必要はありません。物件が離れている場合は、内見の鍵の扱いだけでも近隣の会社に置いたほうが動きます。遠方の組み立ては遠方の物件をどう管理するかをご覧ください。

まとめ

自分で募集することはできます。ただし、得になるかどうかは手数料ではなく空室期間で決まります。条件と写真は自分で、掲載と内見対応は外にも出す。この組み合わせが最も損の出にくい形です。免許の要否は実態で判断が変わるため、事業として広げる前に都道府県の担当窓口へご確認ください。

募集を仲介会社や管理会社に頼む場合は、会社の規模ではなく担当者を見てください。「あなたは何戸を担当されていますか」「5万円の修繕はご自身の判断で発注できますか」「経営者の方は、自分でも賃貸経営をされていますか」。3つ目を聞く理由は、経営者が家賃と返済の間で判断している会社では、空室1か月の重さがそのまま社内の優先順位になり、担当者に渡される基準が大家さんの側から作られるためです。

さいたま市周辺で、自分で募集するか任せるか迷っていらっしゃる方は、ご相談ください。まだ決めていない段階でも、条件の付け方だけをお伝えすることもできます。

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