エアコン・給湯器はいつ替えるか|壊れる前と後の費用差

結論からお伝えすると、エアコンと給湯器は設置から10年を超えたら、壊れる前に、空室のうちに替えるのが最も費用を抑えられる進め方です。理由は単純で、入居中に壊れた場合は工事費そのものより、緊急対応・仮の生活手段・入居者からの信用の低下という3つの追加コストが乗るからです。

ご存じの方も多いと思いますが、設備は壊れた瞬間から交渉力がなくなります。相見積もりを取る時間も、機種を選ぶ余裕も、その日から消えます。

先に、よくある失敗から

「まだ動いているから」と判断を先送りした結果、こういうことが起きています。

  • 8月の連休中にエアコンが停止。工事の手配が3日つかず、入居者から強い苦情になった
  • 12月に給湯器が故障。同型が在庫切れで、入荷まで1週間お湯が使えない状態になった
  • 製造から12年経った機種で、補修用の部品が既に生産終了しており、修理そのものができなかった
  • 修理費に4万円かけた3か月後に別の箇所が壊れ、結局交換した
  • 入居中の交換になり、養生と立ち会いの手間が増え、平日昼間の日程調整に2週間かかった

業界では「動いているうちは替えない」が常識とされています。ただ、実際には「動いているうち」にしか、安く替えることはできません。止まった瞬間から、選べる選択肢が一気に減るからです。

壊れる前と壊れた後で、何が違うか

項目空室時に計画交換入居中に故障して交換
機種の選択在庫と価格を見て選べるその日に手配できる物から選ぶ
工事日程原状回復の工程に組み込める最短日を押さえるしかない
相見積もり2社から3社に出せる実質1社
付随費用なし時間外・休日の割増、仮設機器、状況により宿泊費の負担
入居者との関係影響なし不満が残り、更新時の判断に響くことがある
募集への影響「設備入替済」として打ち出せる打ち出せない

「設備入替済」と募集図面に書けるかどうかは、思っている以上に効きます。同じ家賃帯で並んだときに、エアコンと給湯器が新しいという1行が決め手になる場面は珍しくありません。募集面の見直し方は空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントにまとめています。

交換時期の目安

設備交換を考え始める時期補修用部品の保有期間の一般的な目安
給湯器設置から10年前後製造打切りから7年程度とされることが多い
ルームエアコン設置から10年前後製造打切りから9年程度とされることが多い
換気扇・浴室乾燥機設置から10年から15年機種により幅がある
温水洗浄便座設置から7年から10年機種により幅がある

部品の保有期間はメーカーと機種によって異なりますので、正確な年数は製造年と型番をもとにメーカーに確認してください。逆に言えば、型番と製造年さえ控えてあれば、あと何年で修理できなくなるかを先に計算できます。これが計画交換の出発点です。

なお、原状回復の負担区分では、設備の寿命による故障は貸主の負担とされるのが一般的な考え方です。ただし個別の判断は契約内容と使用状況によりますので、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を確認してください。

修理と交換、どちらを選ぶか?

判断の線は、経過年数と修理費の関係で引きます。目安として次のように整理すると迷いません。

  • 設置から7年以内で、修理費が交換費用の3割以下なら修理
  • 設置から10年を超えているなら、修理費の多寡にかかわらず交換を優先して検討する
  • 同じ設備で2年以内に2回目の故障なら交換
  • 部品の保有期間を過ぎているなら、選択の余地なく交換

10年を超えた機器に修理費をかけるのは、次の故障までの時間を買っているだけになりがちです。その修理費が交換費用の半分に達しているなら、判断はほぼ決まりです。

計画的に替えるための、たった1枚の表

必要なのは、部屋番号ごとに「設備名・型番・製造年・設置年・交換予定年」を並べた表だけです。物件を取得したとき、あるいは退去のたびに、型番シールを1枚撮って埋めていきます。10年を超える設備が今年何台あるかが一目で分かれば、その年の修繕予算の立て方が変わります。

8戸のアパートなら、エアコンと給湯器で16台。これを1年で全部替えようとすると資金が持ちませんが、表があれば「今年は4台、来年は3台」と分散できます。同じ年に何台も集中しそうなら、1年早めて前倒しするという判断も取れます。まとめて発注すれば工事単価が下がる場合もありますので、台数がまとまる年はその点も業者に確認しておくとよいでしょう。

入居中に交換する場合は、日程調整に時間がかかります。平日の日中しか工事ができない相手が多く、入居者の在宅日と合わせると2週間先になることも珍しくありません。空室のうちに替えるべき理由は、金額だけでなくこの調整コストにもあります。

この情報は管理会社が持っていることも多いのですが、大家さん側に控えがないケースが少なくありません。管理を任せている場合は、設備台帳の提出を一度求めておくと安心です。求めても出てこないときの考え方は管理会社の対応が遅い。改善を求めるか、変えるかの判断基準で整理しています。

まとめ

10年を超えたら、空室のうちに、計画で替える。型番と製造年を控えておく。修理費が交換費用の半分に届いたら交換する。この3つで、設備にまつわる突発的な出費と入居者からの苦情は、かなりの部分が消えます。

さいたま市周辺で、設備の入替計画や管理の見直しについて相談先をお探しでしたら、ご連絡ください。まだ何も決めていない段階でもかまいません。

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