担当者が合わない・変わったときに確認すること

結論からお伝えすると、担当者が変わった、あるいは合わないと感じたときに確認するのは①引き継ぎメモが残っているか、②過去の修繕履歴を新しい担当者が把握しているか、③緊急時の連絡経路が誰につながるか、この3つです。そして相性の問題に見えることの多くは、担当者個人ではなく会社の仕組みが原因です。

担当者の交代自体は避けられません。人事異動も退職もあります。問題は交代したことではなく、交代の際に何が消えたかです。

交代の連絡は、たいてい事後に来る

「4月より担当が変わりました」という一行のメールが届いて終わり、という形は少なくありません。新任の担当者から挨拶の連絡があれば良いほうで、次のやり取りが半年後の退去連絡だった、という話も聞きます。

ここで動くかどうかで、その後1年の対応が変わります。交代の連絡を受けたら、こちらから15分の電話か訪問の機会を作ってください。確認するのは人柄ではなく、引き継がれた情報の中身です。

先に、よくある失敗から

引き継ぎで抜けやすい情報は、だいたい同じところです。

  • 前任者と口頭で決めていた「退去後はクロス全面ではなく1面のみ張替え」という取り決めが引き継がれず、いきなり全面の見積もりが上がってきた
  • 101号室の水漏れが3年前に一度起きていた事実が伝わっておらず、再発時に原因の切り分けから始めることになった
  • 給湯器の設置年が分からず、10年を超えた3台の交換予算が組めなかった
  • 入居者からの緊急連絡先が前任者の携帯番号のまま案内されており、深夜の対応がつながらなかった
  • 家賃保証会社の契約者番号を新任者が把握しておらず、滞納の代位弁済請求が1か月遅れた

いずれも、新任の担当者に悪意はありません。引き継ぐ仕組みがなかっただけです。だからこそ、確認は仕組みに向けて行います。

交代直後に確認する3つのこと

確認すること具体的な聞き方と、分かること
引き継ぎメモの有無「引き継ぎの資料は、どんな形で受け取られましたか」。物件ファイルが社内で共有されているのか、前任者の口頭説明だけだったのかが分かる
過去の修繕履歴の把握「過去2年の修繕で、金額の大きかったものを教えてください」。答えられなければ履歴が個人管理だった可能性が高い
緊急時の連絡経路「今夜、入居者が水漏れで電話したら、誰が受けて誰が業者を手配しますか」。一次受付と発注判断が分かれているかが分かる

3つ目は特に確認しておく価値があります。夜間の一次受付が外部のコールセンターで、業者手配の判断が翌営業日の担当者待ちという体制は実際にあります。その場合、金曜の夜の水漏れは月曜まで動きません。設備の交換時期や履歴の管理は、こちらでも控えを持っておくと安心です。

あわせて、口頭の取り決めがある方は、この機会に文書にしてください。「原状回復はクロス1面まで、それを超える場合は事前連絡」「5万円以上の修繕は見積もりを2社」。メール1本で送っておけば、次の交代でも残ります。

合わないと感じたとき、担当者の交代を頼んでいいのか?

頼んで構いません。ここは一般的な感覚と少し違うところかもしれません。担当者の交代を申し出るのは角が立つ、我慢すべきだと言われがちですが、実務上はもっとも穏当な手段です。会社を変えれば入居者への通知や口座変更が発生しますが、担当者の変更なら入居者側の影響はゼロです。

伝え方は、人格ではなく事実で組み立てます。感情で伝えると相性の話に落ちてしまい、会社側が動く理由をなくします。

  • 「6月10日にお願いした見積もりが、7月10日時点で届いていません」——日付と件名で示す
  • 「募集開始から3か月、内見数の報告を受けていません」——回数で示す
  • 「窓口を変えていただくか、上席の方を同席させていただけますか」——選択肢を2つ出す

連絡先は担当者個人ではなく、支店長や管理部門の責任者に向けます。担当者を飛ばすようで気が引けるかもしれませんが、担当者本人に「あなたを変えてほしい」と伝えるのは、双方にとって難しい形です。改善を求めるか委託先ごと変えるかの線引きは管理会社の対応が遅い。改善を求めるか、変えるかの判断基準に整理しています。

交代させても変わらないなら、原因は仕組みにある

担当者が変わったのに、対応の質が同じだった。この場合、原因は個人ではありません。会社の仕組みです。見る場所は3つです。

  • 担当戸数。1人あたりの受け持ちは一般に100戸から300戸程度という幅で語られます。会社の体制で変わるため目安ですが、社内の誰に替わっても同じ水準なら、時間が足りないのは構造の問題です
  • 決裁の範囲。5万円の修繕に稟議が必要な会社では、担当者が誰でも着手日は変わりません
  • 判断基準を誰が決めているか。空室が続いたときに「様子を見る」のか「今月中に条件を見直す」のかは、社内で共有された優先順位で決まります

3つ目が本命です。経営者が自分で賃貸経営をしている会社では、判断基準が大家の側から作られます。空室が1か月延びると手元からいくら消えるのかを、経営者が金額で知っているからです。家賃8万円の部屋なら1か月で8万円、3室が3か月なら72万円。担当者が特別なのではなく、渡されている基準が違うのです。

2人目、3人目の担当者でも同じ結果なら、次に検討するのは委託先の変更です。手順は管理会社を変えたいと思ったときに、最初に確認する3つのことから順に進めてください。

まとめ

担当者が変わったら、引き継ぎメモ・修繕履歴・緊急時の連絡経路の3点を確認する。合わないと感じたら、日付と回数で事実を示して窓口の変更を申し出る。それでも変わらなければ、原因は個人ではなく仕組みです。ここまで切り分けてから動けば、判断を間違えにくくなります。

さいたま市周辺で賃貸管理の見直しを考えていらっしゃる方は、ご相談ください。変えると決めていない段階でも、引き継ぎで何を残すべきかの整理だけでもお手伝いできます。

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