管理会社のランキングや一覧サイトの見方

結論からお伝えすると、管理会社のランキングや一覧サイトは「候補の社名を集めるリスト」としては使えますが、順位そのものは選ぶ基準にできません。掲載の順番が、管理の質ではなく別の要素で決まっている仕組みのサイトもあるためです。読むときに確認する場所は4か所あります。

ここで特定のサイトを名指しするつもりはありません。良質なものもあります。必要なのは、自分で見分けられる目です。

先に、よくある失敗から

順位を信じて動いたときに起きることを、順に並べます。

  • 「賃貸管理会社ランキング1位」と書かれた会社に連絡したが、対応エリアが自分の物件の市区町村に入っていなかった
  • 掲載10社の一覧から3社選んで問い合わせたところ、同じ日に同じ内容の電話が3件来た。一括問い合わせのフォームだった
  • 「管理戸数ランキング」で上位の会社に任せたが、上位である理由はサブリース棟が多いことで、管理委託の実績は少なかった
  • 比較表の「手数料の安さ」で選んだが、安いのは基本料だけで、更新事務手数料と退去精算手数料が別建てだった
  • 1年後に同じサイトを見たら順位がまるごと入れ替わっていた。会社の実態が1年で入れ替わったわけではない

共通しているのは、順位の付け方を確認しないまま、順位を結論として受け取ったことです。

その順位は、どうやって決まっているのか

比較サイトや一覧サイトには、いくつかの成り立ちがあります。一般論として整理します。

サイトの成り立ち順位・掲載順が決まる要素
掲載企業から掲載料を受け取っている掲載の枠と位置。料金プランで上位に出る仕組みのサイトもあります
問い合わせ1件ごとに紹介料を受け取っている問い合わせにつながりやすい会社が優先されやすい構造になります
アフィリエイト報酬で運営されている成果報酬の単価が高い会社が上位になる仕組みのサイトもあります
編集部が独自に取材して書いている取材した範囲。ただし全社を取材することは現実的に困難です
公的な統計を並べただけ統計の定義。管理戸数の数え方は会社ごとに違います

どれも違法ではありません。広告は広告として成立します。問題になるのは、広告であることが分かるように書かれていない場合です。日本では2023年10月から、広告であるのに広告と分からない表示が景品表示法上の不当表示として規制の対象になりました。いわゆるステルスマーケティングの規制です。制度の詳しい内容は消費者庁の案内で確認してください。

つまり読者の側は、「広告」「PR」「プロモーションを含みます」といった表記があるかどうかを見れば、そのページの立ち位置を判断できます。表記があること自体は悪いことではありません。あることが健全で、まったく見当たらないほうを警戒してください。

確認する4か所

見る場所確認すること注意したい状態
ページの冒頭と末尾「広告」「PR」「プロモーションを含みます」の表記どこにも表記がなく、なぜ順位が付いたのか書かれていない
運営者情報・会社概要運営会社名、所在地、連絡先、事業内容運営者が匿名、または会社概要のページが存在しない
選定基準の記載何を評価したか。評価項目と配点、調査した時期「編集部が厳選」だけで、項目が書かれていない
掲載社数と母集団何社の中から何社を選んだのか母集団が書かれていない。または掲載が全社「おすすめ」

4か所すべてを見るのに、1サイトあたり3分もかかりません。特に効くのは3番目です。評価項目が書かれているサイトなら、その項目が自分の物件に関係あるかどうかを判断できます。「対応スピード」「実績」「安心感」といった、測り方の書かれていない項目だけが並んでいるなら、その順位は自分にとって意味を持ちません。

もう1つ。運営会社が管理会社そのものだった場合、それは比較ではなく自社紹介です。

では、ランキングはまったく使えないのか?

いいえ、使えます。使い方を変えるだけです。ランキングで1位の会社が、あなたの物件にとって1位である理由は、そのページのどこにも書かれていません。書かれていないものを信じる必要はありませんが、社名が並んでいること自体には価値があります。

おすすめの使い方は、順位の列を無視して社名の列だけを写し取ることです。そのうえで、次の3点で自分でふるいにかけます。

  • 対応エリア:自分の物件の市区町村が対応範囲に入っているか。ここで半分は消えます
  • 得意な物件の種別と規模:単身向けか、ファミリー向けか、戸建か。10戸未満を受けるか
  • 管理委託の実績かどうか:一括借上(サブリース)の棟数と、管理委託の戸数を分けて聞く

この3点で、10社の一覧はたいてい2〜3社に絞られます。ここまで来たら、比較サイトの役割は終わりです。あとは免許番号や登録の有無を自分で確認し、面談に進みます。手数料の数字を並べて比べたくなる段階かもしれませんが、料金の見方は管理手数料5%は高いのかで先に整理しておくと、比較表に振り回されずに済みます。

順位の代わりに、自分の評価軸を持つ

物件の立地・築年数・戸数・入居者の層はすべて違うのに、全国共通の順位が付くはずがありません。家賃の合計が月50万円で管理料5%なら、年30万円の委託です。その支出先を他人が付けた順位で決める必要はありません。

面談で確認するのは3つです。「あなたは何戸を担当されていますか」。「5万円の修繕は、ご自身の判断で発注できますか」。そして「経営者の方は、自分でも賃貸経営をされていますか」。

3つ目の意図はこうです。経営者が自分でも賃貸経営をしていると、社内の判断基準が大家の側から作られます。「空室が1か月延びると、いくら失うのか」を経営者が金額で知っているので、現場に渡る優先順位が変わります。担当者が特別なのではなく、渡されている基準が違うのです。この3つの答えは、どのランキングサイトにも載っていません。

まとめ

広告表記を見る。運営者を見る。選定基準と母集団を見る。そして順位ではなく社名だけを拾い、対応エリア・得意な種別・管理委託の実績で自分でふるう。今の委託先に不満があって比較を始めた方は、管理会社を変えたいと思ったときに最初に確認する3つのことを先に読んでいただくと、動く順番を間違えません。

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