写真を撮り直すだけで反響が増える理由
結論からお伝えすると、募集写真を撮り直すと反響が動くことがあるのは、部屋がきれいに写るからではありません。ポータルサイトで最初に目に入る1枚目が変わり、間取り図では伝わらない「広さ」と「明るさ」が伝わるようになるからです。掲載順位や家賃を触らずに、実費ほぼゼロで手を入れられる数少ない場所でもあります。
釈迦に説法かもしれませんが、入居希望者が物件を見る順番は、一覧のサムネイル、詳細ページの写真、間取り図、条件、の順です。家賃や設備の条件は、写真を見て「ここは違う」と判断された部屋には読まれません。条件を整える前に写真を整えるのは、そういう理由です。
先に、よくある失敗から
写真は「あるから大丈夫」と思われがちな項目です。実際に空室が長い部屋の掲載を開いてみると、こうなっていることがよくあります。
- 1枚目が外観。しかも曇りの日に道路の反対側から撮った、電線の入った写真だった
- 室内の写真が5年前の前入居者の退去直後のもので、その後入れたエアコンが写っていない
- 部屋の隅から撮っておらず、壁しか写っていない。6畳が4畳半に見えていた
- 写真は38枚あったが、うち11枚が同じ洋室の角度違いだった
- 照明を消したまま撮っており、実際より2段暗い部屋として並んでいた
いずれも、部屋そのものには何の問題もありません。部屋ではなく、部屋の写り方だけが不利になっていた状態です。家賃を下げる前に、ここを疑う価値は十分にあります。
1枚目に何を置くかで、その先が決まる
一覧画面に並ぶのは1枚目だけです。ここに外観を置いている物件は今も多いのですが、外観で選ばれる部屋はほとんどありません。1枚目に置くべきは、その部屋で一番広く明るく見える室内カット。単身向けなら居室、ファミリー向けならリビングです。
築年数が古い物件ほど、この一手が効きます。設備で勝てない部屋が最初に切られるのは、条件の比較の前、一覧をスクロールしている数秒間です。その数秒に置く1枚を変えるだけなら、費用はかかりません。
写真は何枚載せるのが適切か?
掲載できる上限まで載せるのがよい、というのが一般的な考え方です。ただ、現場で見ていると、40枚並んだ部屋より12枚に絞った部屋のほうが問い合わせにつながる場面のほうがよく見られます。枚数が多い掲載は、同じ角度の繰り返しや、押し入れの中だけを写した意味の薄い1枚が混ざりやすく、見る側の集中が最後まで持ちません。
目安は12枚から15枚。次の順番で並べると、内見に来る前に部屋の全体像がつかめます。
| 順 | 撮るもの | 撮り方の要点 |
|---|---|---|
| 1 | 居室(一番広く見える隅から) | 床を3割、天井を2割入れる |
| 2 | 居室の逆向き | 入口側を撮り、部屋の抜けを見せる |
| 3 | キッチン | コンロ・シンク・作業台が1枚に入る位置から |
| 4 | 浴室・洗面・トイレ | ドアの外から。鏡に撮影者が写らない角度で |
| 5 | 収納の内部 | 扉を開け、奥行きが分かるように |
| 6 | 窓からの眺め | 白飛びしないよう露出を下げる |
| 7 | 玄関・廊下・共用部 | ゴミ置き場と駐輪場も1枚ずつ |
| 8 | 外観 | 晴天の日中、斜め45度から |
撮る前に済ませておく5つのこと
機材より先に効くのが下準備です。カーテンレールの埃を取る、照明をすべて点ける、カーテンは開けて網戸も引く、床の養生を剥がす、前入居者の残置物を片付ける。この5つを済ませてから撮るだけで、同じスマートフォンでも仕上がりが変わります。
撮影する高さは、床から140センチほど。目線より少し低い位置から水平に構えると、天井が高く写ります。時間帯は、窓の向きにもよりますが晴れた日の午前10時から午後2時の間が扱いやすい時間です。広角のレンズを使う場合も、歪みが強く出る超広角は避けたほうが無難です。実物より広く見える写真は、内見での落差につながります。
費用と手間の目安
| やり方 | 費用 | 所要 |
|---|---|---|
| 管理会社に撮り直しを依頼 | 無料〜数千円のことが多い | 依頼から1〜2週間 |
| 大家さん自身がスマートフォンで撮る | 0円 | 1戸あたり30〜40分 |
| 撮影業者に依頼 | 1戸15,000〜30,000円 | 撮影1時間・納品3〜5日 |
| 家具を入れて撮る(ホームステージング) | 1戸50,000〜150,000円 | 2〜3週間 |
写真と一緒に見直しておきたいのが間取り図です。方位、洋室の畳数、収納の位置、バルコニーの奥行き。このあたりが抜けている図面は今も多く、写真で興味を持った人がそこで判断できずに離れます。図面の作り直しは管理会社に頼めば数日で戻ってくることが多い作業です。動画や360度のパノラマまで用意する必要は、少なくとも最初の段階ではありません。静止画12枚と正確な図面のほうが先です。
家賃6万円の部屋なら、空室が1か月延びるだけで60,000円が失われます。撮影業者に頼んでも、空室期間が2週間縮まれば概ね釣り合う計算です。もちろん写真だけで決まるわけではありませんし、効果は物件と時期によって変わります。ほかに動かせる場所がないかは空室が3か月埋まらないときに見直す6つのポイントもあわせてご確認ください。
まとめ
1枚目を室内に替える。12枚から15枚に絞る。撮る前に照明と片付けを済ませる。ここまでは費用ゼロでできます。撮り直しを頼んでも掲載が更新されない、そもそも写真がいつのものか分からない、という状態が続くようであれば、管理会社を変えたいと思ったときに、最初に確認する3つのことで現状を整理してみてください。
さいたま市周辺で募集中の空室をお持ちの方は、ご相談ください。管理のご依頼を前提にせず、いまの掲載写真を見てどこを撮り直すかだけをお伝えすることもできます。
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