浦和区のファミリー需要は「多い」けれど「増えて」はいません|未就学の子は3年で1割減りました
浦和駅から歩いて12分の2LDK。募集図面の備考欄に「文教エリア・小学校まで徒歩6分」と書き足そうか迷う場面があります。浦和はファミリーに人気の街だから、子育て世帯向けに寄せれば決まるはず。そう考える大家さんは少なくありません。
結論からお伝えすると、浦和区は子どもの数が市内でも多い区ですが、この3年で増えてはいません。さいたま市の住民基本台帳で2023年9月1日と2026年9月1日を比べると、0〜5歳は8,828人から7,931人へ10.2%減り、市全体の8.2%減より減り方が大きくなっています。一方で、同じ子どもたちを3年追いかけると、小学生の年齢に上がる段階では転入が上回っています。浦和区のファミリー需要は「多い」と「増えている」を分けて読む必要があります。
浦和区の子どもは、市内で2番目に多い区です
さいたま市は、住民基本台帳にもとづく年齢別人口を毎月公表しています。2026年9月1日現在の数字を区ごとに並べると、浦和区の特徴が見えます。
| 区 | 0〜14歳 | 人口に占める割合 | 3年前からの増減 |
|---|---|---|---|
| 南区 | 25,148人 | 12.8% | −2.9% |
| 浦和区 | 22,938人 | 13.4% | −3.2% |
| 緑区 | 19,759人 | 14.4% | −1.8% |
| 大宮区 | 15,722人 | 12.2% | +1.5% |
| 市全体 | 165,222人 | 12.1% | −3.6% |
0〜14歳の人数は南区に次いで2番目、人口に占める割合は緑区に次いで2番目です。「浦和は子育て世帯が多い」は、数字の上でも正しいと言えます。
ただ、右の列を見ると、浦和区の0〜14歳は3年で752人減っています。10区のうち増えたのは大宮区だけでした。

減っているのは、小学校に上がる前の子です
年齢を分けると、減り方に偏りがあります。
- 0歳……1,330人 → 1,208人(−9.2%)
- 0〜5歳……8,828人 → 7,931人(−10.2%)。市全体は−8.2%
- 6〜11歳……10,095人 → 9,945人(−1.5%)。市全体は−0.7%
生まれる子の数が減っているのは市全体の流れですが、浦和区は未就学の子の減り方が市の平均より大きい区です。同じ3年で、浦和区の人口そのものは169,260人から171,301人へ2,041人増えています。人が増えているのに小さい子が減っている、というのがいまの浦和区です。
同じ子どもを3年追いかけると、何が見えますか?
2023年に0〜2歳だった子は、2026年には3〜5歳になっています。同じ生まれ年の人数を3年後と比べると、差はおおむね「引っ越してきた数−出ていった数」になります(子どもの死亡はごくわずかなため)。
| 2023年の年齢 → 2026年の年齢 | 浦和区 | 緑区 | 見沼区 | 市全体 |
|---|---|---|---|---|
| 0〜2歳 → 3〜5歳 | +3.0% | +9.1% | +7.5% | +2.5% |
| 3〜8歳 → 6〜11歳 | +2.0% | +4.0% | +2.8% | +1.8% |
| 9〜11歳 → 12〜14歳 | −0.3% | +1.1% | +1.7% | +1.3% |
| 25〜34歳 → 28〜37歳 | +5.6% | +11.7% | +5.7% | +4.8% |
読み取れることは3つです。
- 浦和区にも子育て世帯は入ってきている。未就学・小学生の年齢とも、出ていく数より入ってくる数が多い
- ただし入ってくる勢いは、緑区や見沼区のほうが強い。小さい子のいる世帯の転入は、緑区では浦和区の約3倍の率で増えている
- 中学生の年齢に上がる段階では、浦和区だけがわずかに減っている。10区のうちマイナスは浦和区だけでした。ただし差は13人で、理由をこの表から決めることはできません

ファミリー向けの部屋にとって、何を意味するのか
浦和区で2LDK・3DKを貸している大家にとって、この数字は「子育て世帯向けに寄せるな」という意味ではありません。子どもの数は多く、入ってくる世帯もいます。変わるのは狙う世帯の像です。
- 「これから子どもが生まれる夫婦」より「小学生の子がいる世帯」……増えているのは小学生の年齢での転入です。学区と通学路の情報は、この層に効きます。何を先に用意するかは ファミリー向けの部屋で見られている場所 にまとめています
- 新築マンションと同じ土俵に立たない……浦和区では再開発で70平方メートル前後の住戸がまとまって供給されています(さいたま市の再開発マンションは1〜4LDK・約70平方メートルです)。広さと新しさで比べられる部屋ほど苦しくなります
- 単身・二人暮らしの需要も同時に見る……浦和区は人口が増えていて、25〜34歳の転入も+5.6%です。ファミリーか単身かの二択で考えず、間取りごとに競合を見ます(さいたま市で単身向けか、ファミリー向けか)
都合の悪いことも書いておきます
- この数字は住民票の数です。住民票を移していない学生や単身赴任の人は入っていません。逆に、住民票だけ残して実際には住んでいない人も含まれます
- 3年追いかけた差には、区の中での持ち家と賃貸の区別がありません。入ってきた世帯が賃貸に住んだのか、マンションを買ったのかは、この統計では分かりません
- 区全体の数字は、駅からの距離や町ごとの違いを消しています。さいたま市は町(丁)字別・年齢別の人口も公表しているので、自分の物件の町の数字を見るほうが確かです
- 家賃の相場は、この統計からは分かりません。相場の調べ方は さいたま市の家賃相場の調べ方 に書いています
浦和区で募集を出す前にやる3つ
- 自分の物件の町の年齢別人口を開く。さいたま市「町(丁)字別・年齢別人口」で、0〜5歳と6〜11歳の人数を見ます
- 学区の小学校と、通学路の距離を測る。増えているのは小学生の年齢での転入です。図面の備考に書くなら、ここを数字で書きます
- 同じ町の新築・築浅の募集を3件並べる。広さ・築年数で負ける部分を、家賃ではなく何で埋めるかを決めます
大宮区の単身需要を同じ台帳の世帯数で読んだ記事は 大宮区の単身需要は人口ではなく世帯で見る、区ごとの性格は 大宮・浦和・岩槻|賃貸経営の違い にあります。
(出典:さいたま市「さいたま市の人口・世帯」年齢別人口表(住民基本台帳・令和5年9月1日現在、令和8年9月1日現在)。増減率と3年後の比較は当サイトで計算。2026年9月25日時点)
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