さいたま市の再開発マンションは1〜4LDK・約70平方メートルです|大家が市の公表資料で読む住戸の中身

2026年6月30日、浦和駅西口の南側で、地上27階の建物「浦和カルエ」が竣工しました。翌7月1日からは、建物の中央にある通路を朝7時から通れるようになり、駅の南北を建物の中で抜けられるようになっています。浦和・大宮で賃貸を持つ大家さんから、「駅前にあれだけ部屋が増えたら、うちの空室はどうなるのか」という声が出るのは自然なことです。

結論からお伝えすると、さいたま市が公表している資料では、浦和駅西口南高砂地区の住宅は1〜4LDK・525戸・1戸あたり約70平方メートル・区分所有、つまりファミリー向けの分譲です。単身向けのワンルームと同じ土俵に525戸が一度に加わったわけではありません。一方で、分譲のうち何戸が賃貸に出されるかは、どの公表資料にも書かれていません。この記事では、市のページのどの欄を読めば、自分の物件への影響を考えられるかを整理します。

市が公表している地区は4つです

さいたま市の「市街地再開発事業地区一覧」(2026年7月10日更新)と、各地区のページから、大宮・浦和の地区を並べます。

地区 状況 住宅
浦和駅西口南高砂(浦和区) 2026年6月30日に施設建築物が竣工。事業施行期間は2027年12月まで(予定) 1〜4LDK・525戸・戸当り約70平方メートル・区分所有
大宮駅西口第3-B(大宮区) 2024年7月に竣工、2025年7月に組合が解散し事業完了 A棟60戸・B棟522戸(計582戸)
大宮駅西口第3-A・D(大宮区) 事業計画認可。事業施行期間は2022年3月29日から2028年3月。市のページに「事業スケジュールに遅れが生じており、見直しを行っております」 約230戸・地上27階
大宮駅東口大門町3丁目中(大宮区) 2023年12月8日に都市計画決定。事業計画の認可はまだ (一覧に記載なし)

大宮駅西口第3-B地区は、施行者が「大宮サクラスクエア」という名称を公表しています。

浦和駅西口南高砂地区の住宅建設の概要で見る4つ。1〜4LDK、525戸、約70平方メートル、区分所有

読むのは「住宅建設の概要」の欄です

浦和駅西口南高砂地区のページには、「住宅建設の概要」という欄があり、型・戸数・戸当り床面積・所有形態の4つが並んでいます。自分の物件への影響を考えるときに使えるのは、この4つです。

  1. 型:1〜4LDK。ワンルーム・1Kは含まれていません
  2. 戸数:525戸
  3. 戸当り床面積:約70平方メートル
  4. 所有形態:区分所有。分譲マンションとして1戸ずつ売られる形です

この4つから言えるのは、影響を受けやすいのは駅から近いファミリー向けの賃貸と、同じエリアの中古分譲だということです。70平方メートル前後の2LDK・3LDKを貸している大家さんにとっては、新築の分譲を買った人の一部が賃貸に出す部屋が、直接の比較相手になりえます。

反対に、25平方メートル前後のワンルームを持つ大家さんへの影響は間接的です。駅の南北が建物の中で結ばれたこと、商業・公共公益の施設ができたことで、周辺の利便性が変わる、という形で効いてきます。

525戸・582戸は、区の世帯の増え方と比べてどれくらいですか?

埼玉県の住民基本台帳人口で、2022年1月1日と2026年1月1日の世帯数を比べると、次のとおりです。

  • 大宮区:5万9,986世帯 → 6万5,193世帯(+5,207世帯)
  • 浦和区:7万7,544世帯 → 8万1,330世帯(+3,786世帯)

大宮駅西口第3-B地区の582戸は2024年7月の竣工なので、2026年1月1日の数字にはすでに入っています。仮に582戸がすべて埋まっていたとしても、大宮区の4年間の世帯増5,207世帯のうち1割ほどです。残りの9割近くは、再開発以外の既存の住宅やほかの新築に入った世帯ということになります。

浦和駅西口南高砂地区の525戸は2026年6月30日の竣工なので、入居が進んだぶんは2027年1月1日の表から現れます。浦和区の4年間の世帯増3,786世帯と比べると約14%、1年あたりにならした増え方(約950世帯)の半分を超える規模です。しかもその525戸は、すべてファミリー向けの型に集中しています。浦和区の70平方メートル前後の住まいの需給には、来年以降に効いてくる数字です。大宮区の単身の動きは 大宮区の単身需要は人口ではなく世帯で見る にまとめています。

「完成予定」を物件の判断に使わない

大宮駅西口第3-A・D地区は、事業施行期間が2028年3月までとされていますが、市のページには遅れと見直しが明記されています。大門町3丁目中地区は、都市計画決定から3年近くたっても事業計画の段階に入っていません。

市街地再開発は、権利者の合意、権利変換、解体、建築と段階が多く、計画どおりに進まないことが珍しくありません。「数年後に駅前が変わるから、いまのうちに買う・直す・家賃を上げる」という判断に、完成予定の年を使うのは危ういということです。判断に使ってよいのは、竣工した建物と、公表された戸数と型だけです。

再開発の情報で判断に使うものと使わないもの。竣工した建物と公表された戸数は使い、完成予定の年や家賃が上がる話は使わない

都合の悪いことも書いておきます

  • 再開発で周辺の家賃が上がるかどうかは、市の資料には書かれていません。「再開発のあとは家賃が上がる」という話を見かけても、裏づけの数字を示したものは多くありません
  • 分譲が賃貸に回る割合は、公表されていません。募集が始まったかどうかは、ポータルサイトで同じ建物名を検索して数えるしかありません
  • 工事の近くにある物件は、工事期間中に騒音や通行の不便が出ることがあります。その期間の募集では、内見の時間帯や説明の仕方に工夫が要ります。高さのある建物の近隣説明の決まりは さいたま市で近隣説明が要るのは高さ10メートルから にあります

今日やること

さいたま市の「市街地再開発事業地区一覧」を開き、ご自身の物件から歩いて行ける範囲に地区があるかを確かめてください。あれば、その地区のページで住宅の型と戸当り床面積を見て、自分の部屋の間取りと同じ型かどうかを比べます。同じ型なら、竣工の半年後から近くの募集の数と家賃を月に1回数えておくと、影響が出ているかどうかを自分の目で判断できます。さいたま市の中でエリアごとの違いは 大宮・浦和・岩槻|賃貸経営の違い、市内の空き家の内訳は さいたま市の空き家は増えていない、県内の地価の動きは 埼玉の地価は5年連続で上がっても、63市町村のうち21は下落 にまとめています。

(出典:さいたま市「市街地再開発事業地区一覧」(2026年7月10日更新)、「浦和駅西口南高砂地区」(2026年7月1日更新)、「大宮駅西口第3-B地区第一種市街地再開発事業」(2025年9月30日更新)、「大宮駅西口第3-A・D地区第一種市街地再開発事業」(2025年10月2日更新)。埼玉県「住民基本台帳人口」第1表(令和4年1月1日・令和8年1月1日現在)。2026年9月24日時点)

投稿者プロフィール

Follow me!

この記事の内容について、個別に相談したい方へ

さいたま市周辺で賃貸管理をお探しの方、いまの管理に迷いがある方のご相談をお受けしています。 まだ何も決めていない段階でもかまいません。

相談する(お問い合わせフォーム)