戸田市は5年で人口が1.2%減り、世帯は3.8%増えました|川口・戸田・蕨の賃貸を大家が数字で比べる

結論からお伝えすると、川口市と戸田市はこの5年で人口が減り、蕨市も1.65%の増加にとどまるのに、3市とも世帯の数は人口より大きく増えています。いちばん差が大きいのは戸田市で、人口は1.23%減ったのに世帯は3.84%増えました。「若い人が集まる戸田」という印象とは逆の数字です。

もう1つ、蕨市は1世帯あたりの人数が1.94人で、埼玉県の63市町村でいちばん少なく、借家の広さも県内でいちばん狭い(1住宅あたり37.29平方メートル)という結果でした。3市は隣どうしでも、部屋に入る人の形が違います。

川口市・戸田市・蕨市の人口と世帯の5年の増減を示した図

人口は減っても、世帯は増えている

2026年5月20日に埼玉県が公表した「令和7年国勢調査 速報結果」から、3市の数字を並べます(令和7年10月1日現在。前回は令和2年)。

市 人口 人口の増減 世帯数 世帯の増減 1世帯あたり
川口市 592,007人 −0.38% 276,198 +3.39% 2.14人
戸田市 139,164人 −1.23% 66,790 +3.84% 2.08人
蕨市 75,510人 +1.65% 38,922 +5.69% 1.94人
埼玉県 7,287,169人 −0.78% 3,285,878 +3.89% 2.22人

埼玉県の人口は、大正9年の調査開始以来はじめて前回を下回りました。それでも世帯は県全体で12万3,135世帯増えています。大家が部屋を貸す相手は「人」ではなく「世帯」なので、人口が減ったという見出しだけで需要が減ったとは言えません。

なお、この速報値は市町村が調査区ごとに取りまとめた集計表をもとに県が集計したもので、総務省が公表する数字と一致しない場合があると県が注記しています。

家賃・広さ・持ち家の割合を並べると

次は、総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」を埼玉県がまとめた資料(2024年12月13日掲載)から、3市の借家の数字です。

市 借家の1か月家賃(令和5年) 平成30年からの増減 借家1住宅あたりの広さ 持ち家率 空き家率
川口市 70,470円 +3.0% 42.25平方メートル 57.5% 8.2%
戸田市 73,129円 +4.9% 42.16平方メートル 44.9% 7.2%
蕨市 64,388円 −5.1% 37.29平方メートル 48.9% 10.1%
埼玉県 62,266円 +4.9% 44.35平方メートル 65.1% 9.3%

戸田市の家賃は県内3位の高さで、持ち家率44.9%は和光市(44.0%)に次いで県内で2番目に低い数字です。3番目が蕨市の48.9%で、住宅の半分以上が持ち家ではない市は、県内で和光市・戸田市・蕨市の3市だけでした。

蕨市・戸田市・川口市の借家の家賃を、1か月と1平方メートルあたりで比べた図

蕨市の家賃は、なぜ5年で下がったのですか?

蕨市の借家の家賃は、平成30年の67,852円から64,388円へ5.1%下がりました。県内53市町で下がり幅が6番目に大きい数字です。

統計の表だけでは、下がった理由までは分かりません。ただ、同じ調査で蕨市の借家は1住宅あたり37.29平方メートルと県内でいちばん狭いので、家賃を広さで割ってみると印象が変わります。

  • 蕨市:64,388円÷37.29平方メートル=1平方メートルあたり約1,727円
  • 戸田市:73,129円÷42.16平方メートル=約1,735円
  • 川口市:70,470円÷42.25平方メートル=約1,668円

広さあたりで見ると、蕨市は戸田市とほぼ同じで、川口市より高くなります。「蕨は家賃が安い」ではなく「蕨は部屋が小さい」と読むほうが、数字には合っています。1世帯あたり1.94人という国勢調査の数字とも向きがそろいます。

駅で乗る人も、3市とも増えている

埼玉県統計年鑑(令和7年版)の表8-1で、JRの1日平均の乗車人員(令和6年度)を見ると、川口75,061人、蕨55,862人、西川口54,974人、戸田公園32,965人、北戸田22,185人、戸田21,037人でした。6駅とも前の年度より増えていて、西川口は+3.9%、蕨は+3.6%です。戸田市は人口が減っていても、市内の3駅はいずれも増えています。

家計を主に支える人の片道の通勤時間(中位数)は、蕨市50.3分、戸田市48.7分、川口市48.6分で、県平均の44.0分より長くなっています。都内へ通う人の住まいとして使われている市だということは、この数字からも読めます。

都合の悪いことも書いておきます

  • 住宅・土地統計調査は標本調査です。市ごとの数字は推計で、小さい市ほど振れが出ます。蕨市の−5.1%も、1回の調査だけで傾向と決めつけないほうが安全です
  • ここでいう「借家」は民営の賃貸だけではありません。公営住宅やUR、社宅なども含んだ平均です
  • 家賃は「住んでいる人が払っている額」です。いま募集に出したときの家賃とは違います
  • 川口市には、ワンルームを建てるときの条例があります。新しく建てる予定がある方は、大家が埼玉でワンルームを建てる前に|川口市は条例、さいたま市は指導基準ですを先に読んでください

今日できること

  1. 自分の物件がある市の「人口の増減」と「世帯の増減」を、県の国勢調査の統計表(エクセル)で並べる
  2. 自分の部屋の家賃を平方メートルで割り、市の平均(上の割り算)と比べる
  3. 小さい部屋が多い市なら、募集図面で広さより先に「何ができる部屋か」を書く(単身向けの部屋に大家が設備を足す順番)

外国人の住民の動きは、同じ3市でも別の形をしています。住民基本台帳の数字で見た埼玉で外国人の住民が増えている市は、川口より県北ですもあわせてどうぞ。

「人口ではなく世帯で見る」という読み方は、さいたま市の区で先に試しています(大宮区の単身需要は人口ではなく世帯で見る)。募集の家賃そのものを決めるときは、統計の平均ではなく近くで決まった部屋を集めるさいたま市の家賃相場の調べ方の手順が、市の外でもそのまま使えます。

出典

  • 埼玉県「令和7年国勢調査速報結果による人口及び世帯数」(2026年5月20日公表)
  • 埼玉県「令和5年住宅・土地統計調査結果 埼玉県分の概要」表5-3・表6-2・表7-3・表2-8・表10-3(2024年12月13日掲載)
  • 埼玉県「令和07年(2025年)埼玉県統計年鑑」表8-1(2026年2月9日掲載)・令和06年版 表8-1

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