管理人の出勤と退勤の時刻は、大家が記録して3年残します|労働安全衛生規則52条の7の3は「タイムカードなど客観的な方法」です
結論からお伝えすると、管理人を雇った大家さんは、出勤と退勤の時刻を、タイムカードやパソコンの使用時間の記録のような客観的な方法で把握し、その記録を3年間保存する決まりです(労働安全衛生法66条の8の3、労働安全衛生規則52条の7の3)。目的は、長時間働いた人に医師の面接指導を行うためです。現行の条文で確かめました(2026年10月6日時点)。

66条の8の3は、「面接指導のために」把握するよう求めています
66条の8の3は、事業者は、66条の8第1項または66条の8の2第1項の面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法で、労働者の労働時間の状況を把握しなければならないと定めています。把握する対象から外れるのは、「次条第1項に規定する者」だけです。次条の66条の8の4第1項は、労働基準法41条の2の高度プロフェッショナル制度で働く労働者を指しています。条文が外しているのは、この制度の対象者だけで、人数や働く時間の短さによる除外は書かれていません。
面接指導の対象になる線は、規則52条の2が決めています。休憩を除き1週間あたり40時間を超えて働かせた時間が、1か月あたり80時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる人です。管理人が数時間ずつ働く程度なら、この線には遠いのが普通です。それでも把握そのものの決まりは、条文のうえでは、働く時間の長さに関係なく書かれています。

どんな方法で把握すればよいのですか?
規則52条の7の3第1項は、把握の方法を、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法としています。条文が名前を挙げているのは、タイムカードと、パソコンの使用時間の記録の2つです。管理人が建物に出向いて働く形で、スマートフォンのアプリによる出退勤の記録が同じ種類の方法になるかは、条文からは言い切れません。
管理人の自己申告だけでよいのか、紙の出勤簿はどう扱われるのかは、この条文には書かれていません。「その他の適切な方法」の中身は、条文だけでは決まりません。迷うときは、所轄の労働基準監督署に確かめてください。
記録は3年間保存します
同条2項は、事業者は、把握した労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存するための必要な措置を講じなければならないとしています。労働基準法109条の記録の保存(5年。当分の間は3年)とは別の決まりです。賃金台帳や労働者名簿の保存は人を雇った大家が備える帳簿は2つですに書きました。
面接指導を行ったときは、その結果の記録を作り、5年間保存します(規則52条の6)。
把握しなかったら、罰則はあるのですか?
119条と120条(罰則の条文)、122条を調べて、66条の8の3の名前が出てくるか確かめました。出てきませんでした。罰金の対象として66条の8の3が書かれているわけではありません。ただし、だから守らなくてよいという意味ではありません。労働時間の記録は、残業代の計算や、管理人の労働時間は、1日8時間・週40時間までの確認にも使う書類です。把握していないと、そのどれもが確かめられません。
都合の悪いことも書いておきます
- 労働安全衛生法の「労働者」には、家事使用人が入りません(2条2号)。賃貸経営のために雇う管理人が当たるかは、条文だけでは判断できません。
- 面接指導の線(月80時間)は、フルタイムで残業が続く人の話です。短時間の管理人が対象になる場面は、多くありません。
- 把握の義務に、人数や時間による例外が書かれていないというのは、条文を読んだ結果です。運用の細かい扱いは、通達や監督署の案内に従います。
- どの方法が「適切」とされるかは、条文からは読み切れません。
今日やることを1つだけ選ぶなら
管理人の出勤と退勤の時刻が、どこに記録されているかを確認してください。口頭の約束だけになっていれば、スマートフォンのアプリなどで記録できる方法を1つ決め、保存場所を決めます。個別の判断は、所轄の労働基準監督署か社会保険労務士に確かめてください。休憩や休日の決まりは管理人の休憩は、6時間を超えたら45分ですにあります。
出典
- 労働安全衛生法2条・66条の8・66条の8の3・66条の8の4・119条・120条・122条(e-Gov法令検索・2026年10月6日時点)
- 労働安全衛生規則52条の2・52条の6・52条の7の3(同)
- 労働基準法41条の2・109条(同)
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